消防法
2022.04.08
危険物と指定可燃物について解説!
火事になってしまうと被害が大きくなってしまう要素を持つ施設には、
より厳しい基準で消防設備を設置しなければいけません。
その要素とは、「危険物」と「指定可燃物」です。
火が燃えるためには燃える元となる物質が必要なのですが、
その中でもより危険な可燃物を危険物と指定可燃物と言います。
火災の種類についてはこちらで解説しています。
>>>【徹底解説】A火災って何?ABC消火器とは?
【目次】
1. 消防法でいう危険物とは
2. 危険物施設に設置する消火設備
3. 指定可燃物とは
1. 消防法でいう危険物とは
消防法で扱う危険物は、第1から第6まで大きな区分で類別化されており、
その中でさらに細かく分かれています。
そして、それぞれの区分ごとに指定数量が定められています。
例えば、第4類の引火性液体の中には石油類やアルコールなどが含まれており、
特に石油類は引火点の高さによって4種類に区分されています。
ガソリンは第一石油類に当てはまり、指定数量は200Lです。
危険物を保管するうえで指定数量以上の危険物を貯蔵または取り扱う場合には、
許可を受けた施設において政令で定める技術上の基準に従って行わなければなりません。
危険物施設の種類
危険物を貯蔵・取扱う危険物施設は、製造所、貯蔵所、取扱所に分類されます。
製造所
危険物を製造する施設のことで、石油精製工場やアルコール製造工場などがあげられます。
貯蔵所
危険物を貯蔵したり取扱う施設のことで、危険物倉庫、タンクローリーなどがあげられます。
取扱所
製造する目的以外で危険物を取扱う施設のことで、ガソリンスタンド、灯油・車のオイル等の販売店、車の整備工場などがあげられます。
2. 危険物施設に設置する消火設備
危険物施設は、著しく消火困難な危険物施設、消火困難な危険物施設、その他の危険物施設、
危険物施設の電気設備に区分されており、それぞれについて最小限設置すべき消火設備が定められています。
危険物施設に設置する消火設備は第1種から第5種まで区分されています。
第1種
屋内消火栓または屋外消火栓設備
第2種
スプリンクラー設備
第3種
水蒸気消火設備または水噴霧消火設備
泡消火設備
二酸化炭素消火設備
ハロゲン化物消火設備
粉末消火設備(リン酸塩類・炭酸水素塩類・その他のものを使用するもの)
第4種
第4種の消火設備は大型消火器を指します。
参照:ヤマトプロテック株式会社
棒状の水を放射する消火器
霧状の水を放射する消火器
棒状の強化液を放射する消火器
霧状の強化液を放射する消火器
泡を放射する消火器
二酸化炭素を放射する消火器
ハロゲン化物を放射する消火器
消火粉末を放射する消火器(リン酸塩類・炭酸水素塩類・その他のものを使用するもの)
第5種
小型消火器
水バケツまたは水槽
乾燥砂
膨張ひる石又は膨張真珠岩
3. 指定可燃物とは
指定可燃物とは危険物ではありませんが
「わら製品、木毛その他の物品で火災が発生した場合にその拡大が速やかであり、又は消火の活動が著しく困難となるものとして政令で定めるもの」(法の9条の4)です。
貯蔵量の多い場合に消防署長に届出が必要となります。
何が指定可燃物にあたるかは市町村条例によって品名と指定数量が定められています。
例えば、新聞紙・雑誌・段ボールは、古紙回収に出したあとや、倉庫などに積み上げた状態、
つまり、廃棄物(ゴミ)の状態になったときから紙くずになり、衣服も使用せず積み重ねた状態や、
古衣として廃棄物となった場合は、ぼろとして、その重さ(数量)が指定数量を超えていれば、指定可燃物となります。
指定可燃物の貯蔵および取扱い
基準については、法9条4の規定に基づき、市町村条例で、指定可燃物の品名(詳細)、
指定数量、管理基準、屋外施設の空地、集積高さ、保安設備等の設置などについて詳細に定められています。
指定可燃物の中には、日常生活で何気なく使用しているものも含まれますが、
数量や取扱方法によっては大きな火災危険性を有するものであることを理解し、
条例に基づく技術基準を遵守する必要があります。
指定可燃物の貯蔵・取扱い部分に必要な消火設備
政令別表1に定める防火対象物において、指定可燃物の貯蔵や取扱っている部分で、指定可燃物が
指定数量の750倍以上の場合は屋内消火栓設備
指定数量の1000倍以上の場合はスプリンクラー設備または水噴霧消火設備、泡消火設備、不活性ガス消火設備、ハロゲン化物消火設備、粉末消火設備
などの特殊な消火設備の設置が必要となります。
ハロゲン化物消火設備については、有害なものもあるためハロン規制により適用できない部分もあります。
なお、指定可燃物のうち可燃性液体類(てんぷら油など)となる場合は、
屋内消火栓設備、スプリンクラー設備の設置は認められません。
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