消防点検コラム

消防点検

2024.04.15

ホテル、旅館をはじめとする、各種宿泊施設の消防設備点検について、費用や相場などを事例も交えて解説します

快適で安全な暮らしのためには、宿泊施設の消防・防災設備点検はとても大切です。宿泊施設の消防設備点検には、法令で義務付けられている「法定点検」と、自主的に行う「任意点検」の2種類があります。消防設備点検は定期的に行わなければならず、意外と費用がかかるものです。この記事では、宿泊施設の消防設備点検にかかる費用や相場、費用を抑える方法などについて具体的に解説します。

【目次】

1.宿泊施設の消防設備点検とは?
2. 宿泊施設に必要な消防設備、点検対象
3. 宿泊施設の消防設備点検の費用・相場
4. 消防設備点検業者の選び方
5. 消防設備点検の法的義務と罰則
6. 宿泊施設の消防設備点検に関するよくある質問
7. まとめ

1. 宿泊施設の消防設備点検とは?

消防設備点検は、宿泊施設の安全を守るために必要な対策の1つです。法定点検と任意点検の2種類に区分され、それぞれの目的と重要性が異なります。

消防設備点検の重要性

宿泊施設における消防・防災設備点検は、火災から宿泊客の命と安全を守り、火災リスクを軽減するために不可欠です。消防法により、非常ベル、消火器や自動火災報知器 などの消防用設備は定期的な点検が義務付けられています。これにより、事故時に消防設備士が迅速に消火栓や排水設備、連結送水管を操作し、火災の損害を防止することができます。また、避難誘導灯や誘導標識、緊急報知設備の点検は、宿泊客の迅速な避難を支援します。

消防設備の点検は、消防法によって次のように義務付けられています。

第十七条第一項の防火対象物(政令で定めるものを除く。)の関係者は、当該防火対象物における消防用設備等又は特殊消防用設備等(第八条の二の二第一項の防火対象物にあつては、消防用設備等又は特殊消防用設備等の機能)について、総務省令で定めるところにより、定期に、当該防火対象物のうち政令で定めるものにあつては消防設備士免状の交付を受けている者又は総務省令で定める資格を有する者に点検させ、その他のものにあつては自ら点検し、その結果を消防長又は消防署長に報告しなければならない。

消防法第十七条の三の三

宿泊施設の消防設備点検を怠ると火災事故の発生リスクが高まるだけでなく、管理者に罰金や拘留が科せられる可能性もあります。火災を予防し宿泊施設の信頼を向上するため、また法的ペナルティを回避するためにも、適切かつ定期的な点検とメンテナンスが必要です。

法定点検と任意点検の違い

消防設備点検には、法定点検と任意点検の二種類があります。

法定点検とは、消防法によって定められた義務的な点検で、消防設備士あるいは消防設備点検資格者による専門的な検査が含まれます。

これに対して任意点検は、法律で定められていないが、建物管理者が自主的に行うものです。法定点検では、非常ベル、消火器や自動火災報知器 などの消防用設備の他、非常照明や非常電源専用受電設備、自家発電設備などの機能チェックが行われます。任意点検は、これらに加えて建築設備全般の状態を確認し、防火対象物の安全性をさらに向上させるためのものです。両方の点検は、火災から宿泊客を守るために、宿泊施設の管理において極めて重要です。

2. 宿泊施設に必要な消防設備、点検対象

宿泊施設の火災事故を予防するためには、適切な消防設備の設置と定期的な点検が必要です。点検が求められる消防設備には、次のようなものが挙げられます。

自動火災報知器 ・消火器とスプリンクラー・避難設備と誘導灯・連結送水管

ここでは点検対象となる消防設備を詳しく紹介します。

自動火災報知設備

宿泊施設内の自動火災報知設備は、火災の初期段階で警報を鳴らす重要な役割を果たします。これには火災報知器 が含まれ、定期的な点検とメンテナンスが不可欠です。点検時には、感知器の作動確認と清掃、誤作動防止の検討が行われます。警報による火災の早めの段階での発見を可能にするため、消防法により義務付けられています。

消火器とスプリンクラー

宿泊施設に設置される消火器とスプリンクラーは、火災発生時の初期消火に欠かせない設備です。これらは定期的に点検し、消火性能を確保する必要があります。消火器の場合、圧力が規定の範囲内であることや外観の損傷に注意が必要です。一方スプリンクラーは、設置場所、放水圧力や放水量、配管やノズルの機能確認が重要です。

避難設備と誘導灯

宿泊施設の避難設備として、防火扉、避難はしごや避難経路の確保があります。また、避難誘導灯や誘導標識の点検は、火災時の安全な避難経路を確保するために不可欠です。点検では、誘導灯の照明機能とバッテリーの寿命確認が行われます。これらの設備は、火災時の迅速な避難を支援し、安全を確保します。

連結送水管

連結送水管は、大規模な火災時に消防隊が迅速に消火活動を行うための設備です。これには、消火栓や送水用器具の点検が含まれます。定期的な点検では、配管の損傷や漏水がないか、接続部の状態を確認します。宿泊施設の安全を守るために、これらの点検は不可欠です。
これらの点検は、建物の安全性を保ち、宿泊客の命を守るために必要なものです。かつ、宿泊施設の管理者にとっては、消防法に基づく義務です。

3. 宿泊施設の消防設備点検の費用・相場

宿泊施設の消防設備点検費用を抑えるためには、点検の頻度や範囲を適正に管理することが重要です。

また、宿泊施設の消防設備項目にかかる費用は、建築規模や点検項目によって大きく変動します。ここでは宿泊施設の消防設備点検の費用・相場を紹介します。

建物の規模と点検費

宿泊施設の消防設備点検費用は宿泊施設の規模・戸数によって大幅に異なります。一般的に、大規模な宿泊施設ほど、点検する消防設備の数が増えて、費用も高額になります。また、客室数によっても点検費用は大きく変動します。

点検項目と費用の関係

点検項目が多岐にわたるほど、点検にかかる時間が数日間になり、費用が高額になります。自動火災報知設備、非常電源専用受電設備、非常ベル、消火器、スプリンクラー、連結送水管など、様々な消防用設備の点検が必要です。これらの設備は、定期的な検査が消防法によって義務付けられており、点検の範囲や内容に応じて費用が算出されます。

費用を左右する要素

点検費用は、建物の築年数、設備の種類、業者の立地や経費の有無、業者の技術や経験によって算出されます。例えば、古い建物や複雑な設備を有する宿泊施設では、点検に専門知識や数日間の時間が必要となるため、費用が高額になる傾向があります。また、消防署や専門の設備会社による点検の質、中間マージンがかかる下請け業者と独立した業者とでも費用は変動します。

費用・相場

宿泊施設をホテル、旅館、民宿、民泊に分けると、消防設備点検にかかる費用の目安は次表のようになります。

宿泊施設の種類費用
ホテル50,000円〜300,000円
旅館50,000円〜300,000円
民宿3,000円〜50,000円
民泊3,000円~50,000円

 

延べ面積が広い宿泊施設や特殊な設備を有する建物では、この費用がさらに高額になることが考えられます。加えて、点検作業内容の複雑さや業者の違いによっても、最終的な費用は変動します。

4. 消防設備点検業者の選び方

宿泊施設の消防設備点検を行う業者の選定は、安全性を確保する上で極めて重要です。ここでは業者選びに失敗しないためのポイントを3つ紹介します。

資格と経験

選定する消防設備点検業者は、適切な資格と豊富な経験を持っていることが重要です。消防設備士あるいは消防設備点検資格者は、非常ベル、消火器、自動火災報知設備、非常電源専用受電設備、排水設備、連結送水管など様々な消防用設備の点検において専門知識と技術を有しています。また、実際の火災事例への対応経験も、業者選定の際の重要な判断基準となります。

費用の透明性

点検業者を選ぶ際には、費用が透明であるかも考えるべき点です。見積もりを取る際は内訳が「費用一式」と記載されている業者ではなく、具体的で分かりやすく記載されている業者を選ぶことで、追加費用が発生して割高になることを防げます。費用の内容には点検作業だけでなく、消防設備の修理や交換に関する費用も含まれることがあります。これらの費用が具体的に記載されているかどうかを確認しましょう。

緊急時の対応能力

宿泊施設の消防設備点検業者は、火災時に迅速かつ効果的な対応が可能であることが求められます。非常ベル、火災報知器 やガス漏れ警報設備スプリンクラーなどの警報装置が作動した場合や、消防署からの立ち入り検査時に、早い対応が可能な業者を選ぶことが重要です。また、火災時における追加のサポートやアドバイスを提供可能な業者であれば、さらに信任が高まります。

これらの事項を踏まえて適切な消防設備点検業者を選定することで、宿泊施設の火災リスクを軽減し、宿泊客の安全確保につながります。

5. 消防設備点検の法的義務と罰則

宿泊施設の消防設備点検は、オーナーや管理会社に法的な義務と責任が伴います。ここでは、消防設備点検の義務を怠った場合の罰則について具体的に解説します。

消防法に基づく義務

消防法により、宿泊施設などの防火対象物は定期的な消防・防災設備点検を受ける義務があります。法令によるこの義務には、自動火災報知設備、非常電源専用受電設備、非常ベル、消火器、排水設備、連結送水管などの消防用設備の点検が含まれ、これらの機能が正常であることを確実にします。この点検は、消防設備士やあるいは消防設備点検資格者によって実施される必要があります。

点検を怠った場合の罰則

消防設備点検を怠ったり、虚偽の報告をしたり、規約違反をした場合、管理組合や物件所有者は法的な罰則を受ける可能性があります。

具体的には、消防法では次のように定められています。

次のいずれかに該当する者は、三十万円以下の罰金又は拘留に処する。

(中略)

十一 第八条の二の二第一項(第三十六条第一項において準用する場合を含む。)又は第十七条の三の三の規定による報告をせず、又は虚偽の報告をした者

消防法第四十四条

 

これには拘留や罰金が含まれることがあり、消防法に違反した場合は、最大で300万円以下の罰金または拘留が科されることもあります。また、点検の不備が火災などの事故につながった場合、より重大な賠償責任を負うことになります。

オーナーと管理会社の責任

宿泊施設のオーナーと管理会社は、消防法に従って、宿泊客の安全を守るために定期的な消防・防災設備の点検を必ず行う責任があります。この責任には、適切な点検業者を選ぶこと、点検のスケジュールを管理すること、そして点検の結果を報告し、その報告書を保管することが含まれます。さらに、消防法では「多くの人が利用する建物では防火管理者を指名することが必要」と規定されており、通常は管理組合員から防火責任者が選任されます。

6. 宿泊施設の消防設備点検に関するよくある質問

点検頻度とスケジュール

宿泊施設の消防・防災設備点検は、消防法に基づき定期的に行われる必要があります。点検の頻度は設備の種類によって異なり、一般的には年に1回の総合点検が求められます。この点検には、自動火災報知器 、非常ベル、消火器、スプリンクラーなどの消防用設備の確認が含まれます。

機器点検と総合点検の違い、および点検頻度は次のとおりです。

点検の種類点検内容点検頻度
機器点検建物の外観を目視で確認する、消防設備の配置確認および簡易操作をする半年に一回
総合点検消防設備の全部もしくは一部を実際に作動させて、正しく機能するかどうか確認する1年に一回

 

費用の支払い責任者

宿泊施設の消防設備点検にかかる費用は、一般的に、オーナーまたは管理会社が負担します。点検費用を支払う責任者が誰なのか、事前に明確にしておきましょう。

費用には、点検作業の他に必要に応じた設備の修理や交換費用も含まれることがあります。費用の具体的な金額や内訳は点検業者によって異なるため、相見積もりを取ることが重要です。

点検報告書の提出

点検が完了した後、消防設備士あるいは消防設備点検資格者は点検報告書を作成し、消防庁、消防署長や管理組合に提出します。この報告書には点検の結果と、必要に応じて修理や交換が必要な設備の詳細が記載されます。管理組合はこの報告書を保有し、所轄消防署、消防署長への報告など法令による義務に則るために使用します。

なお、点検結果の報告頻度については、管理する建物が特定防火対象物かどうかによって異なります。特定防火対象物は次の2つの条件に該当する建物を指します。

・延べ床面積が1,000平方メートル以上

・地下または3階以上の階に特定用途があり、屋内階段(避難経路)が建物内に1ヵ所しかない(特定用途とは、飲食店やホテルなど不特定多数の人が出入りする建物を指します)

特定防火対象物の場合、1年に一回の頻度で管轄の消防長または消防署長へ点検結果を報告しなければなりません。特定防火対象物でない建物については、3年に一回の頻度で報告が義務付けられています。

これらの質問に対する理解と適切な対応は、宿泊施設の消防・防災設備点検をスムーズに行い、宿泊客の安全を確保する上で非常に重要です。

7. まとめ

消防設備点検の重要性の再確認

宿泊施設の消防・防災設備点検は、宿泊客の安全を確保するために不可欠です。消防法に基づいて定期的に行われるこの点検は、火災報知器 やガス漏れ警報設備、非常ベル、消火器、スプリンクラーなどの機能や設置場所を確認し正常に保つことで、万が一の火災時に迅速かつ効果的な対応を可能にします。この点検は、火災の事故のリスクを軽減するだけでなく、宿泊客の安心感を得ることにもなります。

適切な業者選びのポイント

消防設備点検業者を選ぶ際は、資格と経験を考えることが重要です。消防設備士あるいは消防設備点検資格者が行う点検は、設備の適切な管理と安全性を確実にします。また、費用の透明性と火災時の対応能力も重要な尺度です。業者選びは、宿泊施設の安全管理において重要な役割を果たします。

法的義務と安全の確保

消防・防災設備点検は、消防法により法的に義務付けられています。この義務を怠ると、罰則を受ける可能性があります。オーナーや管理会社は、定期的な点検を実施した後は、点検報告書を適切に作成・保有し、必要に応じて所轄消防署へ報告することが求められます。これにより、宿泊施設の危機管理が可能となり、宿泊客の安心と信頼を得ることができます。

宿泊施設の消防設備点検は、単なる法令の義務を超え、防災により宿泊客の命と安全を守るための重要な措置です。適切な業者選定と定期的な点検実施により、安全な宿泊環境を確保しましょう。適切な点検と管理により、安全で快適な宿泊施設を実現できます。

 

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