消防点検コラム

コロナを理由にガス点検や消防点検は拒否できるのか解説

みなさんは「ガス点検や消防点検はコロナを理由に拒否できるの?」や「ガス点検や消防点検はコロナ禍でも義務なの?」といった素朴な疑問を持ったことはありませんか?

コロナ騒動が始まって以降、集合住宅などを中心にして、住民の許可が得られないことが理由で、ガスや消防用設備等の法令点検の実施が困難になったと言われています。

コロナ感染等を警戒する住民の気持ちについては一定の理解はできるものの、法律で定められているガスや消防の点検を拒否することは問題ではないでしょうか?

そこでこの記事では、消防点検のプロが、ガス点検や消防点検などはコロナを理由にして拒否していいのか、どのような問題を含んでいるのかといったことについて分かりやすく解説します。

ガス点検とは

コロナを理由にした拒否が多くなったとされるガス点検とは、ガス小売事業者が4年に1度の頻度で実施することが義務付けられている、ガス設備に関連する無料の法令点検のことです。

ガス点検の主な内容は、ガス設備のガス漏れ検査、ガス式風呂釜やガス湯沸かし器といった給排気設備、ガスメーター、元栓やホースといった備品の損傷チェックなど、ガスに関連する設備一切を点検します。

ガス点検に要する時間はおおむね10分から15分とされていますが、検査担当者が室内に入ったうえで点検する必要があります。

このような事情から、一部の人からはガス点検に抵抗を持たれることも事実です。一方、ガス点検は法律で定められているため、戸建てやマンションに関係なく、ガスを契約している以上は、その契約者は点検を受ける義務が生じます。

点検を実施するガス小売事業者は住民の同意を得たうえでのみ検査を実施できますが、なにかしらの事情で同意が得られない場合は「住民による点検拒否」と記録した後、屋外のみ点検し、屋内については後日改めることがほとんどです。

つまり、ガス小売事業者は法律に沿った点検を試みたものの、住民がコロナなどを理由にして、それを拒否したという説明がつくため、その責任は住人にのしかかる可能性が生じます。

ガス点検の拒否が社会的罰則に結び付くことは考えにくいものの、何よりもガスを利用している当事者だけでなく、近隣住民の安全を脅かす行為であるため、ガス点検は実施および受け入れが義務とされています。

ちなみに、ガス会社によっては、ガス点検頻度を自主的に2年に1回と規定している場合もありますが、法律では原則4年に1回であると覚えておきましょう。

参考;ガス事業法第百五十九条(消費機器に関する周知及び調査)

消防点検とは

コロナ等を理由にガス点検同様に拒否されやすいのが「消防点検」です。消防法で定められた消防点検とは、消火器や自動火災報知設備といった様々な消防用設備等の点検のことで、半年に1回以上の機器点検、1年に1回以上の総合点検の2つで構成されています。

一般的に、消火器や非常ベルなどの消防用設備等の点検においては、検査員が個々の居室に入ることはありませんが、火災報知器の点検だけは入室が必要になります。また、ベランダに避難はしごがある場合はこれも点検対象になります。

避難はしごの点検は、点検者が避難はしごの動作確認を行います。

火災報知器の点検は、マンション等の集合住宅の各部屋天井部に取り付けられている煙感知器や熱感知器の正常動作を確認するもので、火災の早期発見に欠かせない点検です。

大半の火災報知器は、ひとつひとつ炙り検査を実施する必要があるため、住人の立ち合いが求められます。

一方、部屋に入ってほしくなかったり、コロナを恐れたりしている場合は、拒否することも可能です。

この場合、消防点検の担当者はガス点検担当者同様に「住民による点検拒否」や「不在」と記録し、次回以降の点検まで持ち越しとなります。

ガス点検は、戸建てやマンションなどを問わず、ガスを契約している限り点検を受ける義務が生じますが、消防点検の場合は、感知器のような住人立ち合いのもとで点検する必要がある消防用設備等がなければ影響ありません。

ガス点検をコロナで拒否できるのか?

ガス点検はコロナを理由に拒否できるのかという疑問に対する回答は「拒否できる」となります。

この理由は、ガス点検は法律で定められている法令点検ではあるものの、ガス点検を実施する者は住人の許可なく室内に立ち入ること、あるいは強制的な執行力を伴わないためです。

また、コロナをはじめとする感染症に対する恐怖は、社会的な配慮や風潮が考慮され、拒否するひとつの理由として認めざるを得ないのが実情です。

ただし、ガス点検担当者は法律で定められている以上、点検が完了するまでは足を運ぶことになり、住人もまた、その都度対応が求められます。

このことから、コロナを理由に点検を拒否したとしても、点検免除とはならないため、結局は点検を受け入れるしかありません。

コロナ等を理由にガス点検を拒否することで生じるデメリット

コロナ等を理由にガス点検を拒否すると、以下のような影響が生じる可能性があります。

・保安閉栓される可能性がある
・ガス設備の安全が確保されない
・点検完了まで訪問が続く

それぞれの影響について詳しく解説します。

保安閉栓される可能性がある

ガス点検をコロナ等の理由に拒否すると生じる影響としては「保安閉栓される可能性がある」が挙げられます。

保安閉栓とは、安全を優先してガスの供給を停止するための措置です。ガス点検は法律で定められている点検であり、その安全が確保されない場合は、ガス小売事業者によって危険を伴う住宅と判断される場合があります。

仮に、このような判断が下されると、ガス小売事業者は事前に通知したうえで「保安閉栓」し、安全の確認が取れるまで、すなわち点検を終えるまでの間、一時的にガスの供給を止めるかもしれません。

点検を拒否したことでガスが即刻停止されることは考えにくいですが、コロナや不在などを理由に点検を拒否し続けると、事前通告されたうえでガスが止められるかもしれないことを覚えておきましょう。

ガス設備の安全が確保されない

「ガス設備の安全が確保されない」ことも、ガス点検を拒否することで生じる影響のひとつです。

ガス点検では、室内および屋外にある様々なガス設備の正常動作を確認します。点検が実施できない場合、ガス設備が安全かどうかが分かりません。

例え、住人が問題なくガス設備は作動していると思っていても、有資格者が見ると危険な状態ということは十分に考えられます。

ガス設備の老朽化やホースの劣化、汚れの蓄積などが原因で、実は危険な状態ということはよくあるため、自己判断せずに、プロに安全を確認してもらわなければいけません。

点検完了まで訪問が続く

コロナ等を理由にガス点検を拒否し続けると「点検完了まで訪問が続く」影響が生じます。言い換えれば、点検を受け入れるまで訪問や手紙、電話などが続くと言え、ストレスに感じるかもしれません。

ガス点検は、いかなる住居であってもガスを利用している限り、最低でも4年に1回は必ず受けなければいけない、法律で定められた義務です。

拒否する理由はあれど、点検を受けなければいけない事実は変えられません。点検が終わるまでは、ガス点検業者によるお願いが続くことを覚えておきましょう。

ガス点検を拒否した場合の罰則

コロナ等を理由にガス点検を拒否した場合、利用者(消費者)が罰金や懲役刑に科せられることはありません。

しかしながら、ガス会社から「ガスを止められる」そして「止めたガスを再開する時の手数料請求」があるので注意しましょう。

前述したように、ガス点検を拒否しても即刻ガスが止められることは考えられません。複数回の事前通告がなされたうえでの処置となりますが、ひとたびガスが止められると、再開する際に手数料が請求される可能性があります。

手数料は数千円程度とされていますが、実質的な罰金と言えるでしょう。ガス点検を拒否する理由がコロナであったとしても、法律で義務付けられている点検である以上、手数料の支払いは利用者の責任です。(手数料支払いを拒むとガス供給は再開されない)

ガス点検の流れ

一般的に、ガス点検の依頼から実施までは以下のような流れを辿ります。

1.ガス点検実施および立会の依頼通知
2.ガス点検業者による訪問
3.ガス点検
4.ガス点検完了書類への署名

ガス点検の最初のステップが「ガス点検実施および立会の依頼通知」です。ガス会社によって通知方法やスケジュール調整の詳細は異なりますが、その多くは、書面により訪問日時や点検内容が1ヶ月前頃に通知されます。

この際、立会人の都合をリクエストできるケースもありますが、おおむね2時間ほどの幅を見る必要があります。(例:1時を希望する場合、1時から3時までの間に実施)

通知によって同意した日時にガス点検業者が訪問し、屋外および屋内のガス設備を点検します。

点検終了後、点検結果の書類に署名して終了です。一般的には10分から15分もあれば、すべて完了します。

なお、点検の結果、ガス設備に異常や不具合が確認された場合、後に修繕や交換といった措置が取られますが、これに関わる費用を点検時に請求されることはありません。

必ず、住人やオーナーの承諾を得たうえで、改めて修理工事などが実施されます。

まとめ

ガス点検はコロナを理由に拒否することも可能ですが、結局は点検を受け入れる他ありません。

ガス点検は法律で定められている義務であり、当事者だけでなく、近隣住民の安全を守るためのものです。

つまり、コロナは点検を拒否する理由としては成立しませんので、ガス点検の案内が届いた時点で素直に応じるようにしましょう。

 

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