消防点検コラム

消防用設備

2023.01.27

一目で分かるガス報知器と火災報知器の見分け方

新年度が始まると合わせて、大学生活や新入社員として新生活を始める方も多いかと思います。

カビや害虫を防ぐためによく使用されるのがくん煙剤タイプの殺虫剤や防カビ剤です。

これは名前の通り、煙を発するため、煙感知タイプの火災報知器にはカバーが必要です。

しかしキッチンなどのガスを使用する場所には、ガス感知器という違う用途の感知器が設置されている可能性もあります。

また「くん蒸剤」と呼ばれる、霧が出るタイプはガス感知器にカバーをする必要があります。

ガス感知器と火災報知器はそれぞれ役割が異なり、形状も異なるため、今回はガス報知器と火災報知器の違いについて解説します。

ガス報知器と火災報知器の違い

くん煙・くん蒸剤の製品にもよりますが、『くん煙剤』は火災報知器にはカバーが必要ですが、ガス感知器にはカバーは不要です。

反対に『くん蒸剤』はガス報知器にはカバーが必要ですが、火災報知器にはカバーは不要です。

くん煙剤を使用する場合でも、ガス報知器の真下以外が推奨されていますし、くん蒸剤の場合でも、火災報知器に直接かからないように注意するのが基本です。

そのため、『くん煙・くん蒸剤を使用するが、どっちがどっちか不安』という方は報知器全てにカバーをかけてしまうことが一番安全です。

付属のカバーが足りなくても、穴の空いていないビニール袋などで代用が可能です。

それでは具体的にどのような違いがあるのか見ていきましょう。

・用途の違い

火災報知器とガス報知器はそもそも用途が異なります。

火災報知器は種類によって熱や煙を感知し、規定以上の温度を感じ取ると作動し始めます。

ショッピングセンターなどの施設では、報知器が火災を感じ取ることで非常放送が流れたり、シャッターが閉まったりなどの防火システムが稼働します。

火災の早期発見のために役立っています。

一方で漏れた燃料用ガスや不完全燃焼により生じた一酸化炭素を検知して警報を発するのがガス報知器です。

ガス報知器はガス警報装置とも呼ばれており、警報音を鳴らします。

一番身近なのがキッチンです。

オール電化住宅でもない限り、ガス警報器がついているはずです。

火災とは異なり、ガスは目に見えないため漏洩に気が付きにくいです。

そのためガスを使用する多くの場所でガス警報器が取り入れられています。

・見た目の違い

ガス報知器の見た目は長方形で、コンセントとつながっています。

キッチンの近くのコンセントに刺されている長方形のものがガス報知器です。

また、使用しているガスが都市ガスなのかプロパン・LPガスなのかで取り付けられている位置が異なり、キッチンの下側についているものがプロパン・LPガス用のものです。

これに対して、都市ガス用のものは天井に近いところにつながっています。

一部プロパン・LPガス用のものでも天井に近いところについているものがありますが、この場合は天井側に警報機が取り付けられ、キッチンの下側には検知部分が取り付けられているという2台構成になっています。

火災報知器は取り付けられる場所や環境によって種類がたくさんありますが、キッチンを例に挙げると熱感知器というものが多く取り付けられています。

天井に設置されていて、見た目は円形、銀色の金属部分が露出しています。

火災報知器にはその他にも煙感知タイプが存在しています。

 

ガス報知器について詳しく解説

見分ける違いは以上の通りです。ここではそれぞれの報知器の特徴や誤作動してしまったときの止め方などを解説していきます。

ガス報知器とは

ガス報知器とは、ガス警報器とも呼ばれ、漏れ出た燃料用ガスや不完全燃焼で生じた一酸化炭素を検知して警報を発する装置のことです。

ビープ音で警告を発するものから、検知したものに応じて音声で警報を鳴らすものなど多様なものがあります。

 

ガス報知器の誤作動…止め方

ガス報知機は本来、ガス漏れしていた場合に警告を発します。

しかし、耐用年数約5年を経過すると誤作動が発生しやすくなります。

火災と異なり、ガスは目に見えないもののため、本当に誤作動なのか注意が必要です。

まずはガス漏れしている可能性を考慮して、本来のガス漏れ時の対応をしましょう。

対処方法1

ガス報知器には警報停止スイッチがついている場合があります。

スイッチがついている場合は一度押すと5分間警告音が停止します。

その間に、室内の換気を行ってください。

このときに一番してはいけないのが、換気扇のスイッチを入れることです。

本当にガスが漏れていた場合、スイッチの入り切りの際に出る僅かな火花でガスが引火する可能性もあるからです。

そのため、換気は窓やドアを開けておこなってください。

十分な換気をしても警報音が鳴り止まない場合は、ガス会社に連絡をしましょう。

これは警告停止スイッチがない場合も同様です。

対処方法2

誤作動の原因として非常に多いのがくん煙・くん蒸剤を使用したパターンです。

くん煙・くん蒸剤を使用する際にガス報知器にカバーをかけないと、警報がなる可能性があります。

この場合はガス警報器をビニール袋などで密閉する必要があります。

 

対処方法3

急にガスを大量に使用したり、大きな地震が来るとガスメーターが自動的にガス機能を止める場合があります。

この場合は、ガス報知器やインターホンなどから警告アナウンスが流れることがあります。

ガス機能が止まっているので、ガスを使おうとしても使えない状態です。

各お家に設置されているガスメーターの表示ランプが、赤色で点滅している場合はガスの供給が一時的に停止されています。

復帰の手順はメーターの種類にもよるので、手順を確認しながら復旧作業を行ってください。

警報音の原因

原因その1調理中の警報

日常的にガスを使用するのは、調理している場合がほとんどでしょう。

調理中の吹き出しでガスコンロの火だけ消え、ガスのみコンロから出続けていたりするとガスが不完全燃焼を起こし、警報がなります。

先程もお伝えした通り、換気扇ではなく、窓や扉を開けて換気を促しましょう。

ガス・一酸化炭素濃度が下がれば警報音は自動的に鳴り止みます。

 

原因その2タバコの煙・くん煙剤

ガスを使用していなくても警報がなる可能性があります。

タバコの煙がかかった場合やくん煙・くん蒸剤を警報機の近くで使用すると誤作動を引き起こします。

その他にも、スプレー式の殺虫剤やシンナー・ペンキといった可燃性の溶剤を近くで使用した場合も感知して誤作動を起こす可能性があります。

原因その3有効期限切れ

料理もしていないし、ガス機器は全く使用していないのに突然ガス報知器が鳴り出す場合は機器の故障が考えられます。

ガス報知機は製造・または購入から5年で交換することが定められています。

使用から5年が経過すると誤作動のような故障が発生しやすいためです。

ガス警報器に交換目安や有効期限といった形でシールが貼られているはずですので、誤作動が疑われる場合は確認してみてください。

火災報知器について詳しく解説

火災報知器はガス報知器とは異なり、火災を検出して警報を鳴らすものです。ここでは火災報知器について詳しく解説します。

火災報知器とは

火災報知器は主に、煙感知式と熱感知式の2種類があります。

煙感知式は熱では反応せずに、通常以上の煙が感知されると作動します。

熱感知式は一定以上の温度変化で作動する定温式と、温度上昇率の異常により感知する差動式の2種類に分かれます。

火災報知器の誤作動…止め方

火災報知器は経年劣化や強い衝撃により誤作動を起こす可能性があります。

報知器がなっていた場合はまず火災が起きていないかを確認して、誤作動だと判断できた場合のみ速やかに警報音を止めましょう。

止め方

火災報知器の多くには停止ボタンか紐がついています。

基本的にはどちらかを押したり引いたりすることでストップするはずです。

それ以外のストップ方法が必要な種類もありますので、停止ボタンや紐が付属していない場合は取扱説明書を確認して対処しましょう。

 

更に注意したいのは上記の止め方は一時的な止め方であるということです。

誤作動の原因を除去しないと再度警報がなる可能性があるので、警報が止まっている間に原因を解消しておきましょう。

また、感知器に使用している電池が切れると音が止まらない機種も存在しています。

火事じゃないのに音が止まらない場合は、電池交換をする必要があるかもしれません。

定期的な点検をすることで防げる事態ですので、サボらずに点検を依頼しましょう。

誤作動の原因

誤作動の原因となりうるパターンを紹介します。

誤作動が発生した場合は以下のような原因が考えられますので、一時的に警告音を止めてる間に解消できるものは解消しましょう。

その1

冬場になると暖房機器を多く使用します。

エアコンやストーブで部屋を温める際に、設定温度を高く設定しておくと短期間で室温が上昇してしまう可能性があります。

差動式の場合、短時間の間の温度変化をもとにしているので感知器が誤って作動してしまうかもしれません。

対処法としては、エアコンの風向きを下にしたり、エアコンやストーブと感知器に十分な距離を設ける方法が考えられます。

差動式から定温式に変更することも可能ですが、管轄の消防に届け出が必要の上、賃貸だと勝手に変えられない可能性もありますので、事前に不動産と相談することをおすすめします。

 

その2

感知器は繊細で、強い衝撃を与えられただけでも警報がなります。

同じように、内部に水が入ったり、結露することで誤作動してしまう可能性があります。

梅雨時期に誤作動が頻発する場合はこの可能性を考慮しましょう。

熱感知器の他に煙感知器というものがありますが、これは煙によって作動するため、タバコの煙が誤作動を起こす原因にもなります。

タバコを吸ったり調理を行う場合は、しっかりと換気をして感知器が誤作動を起こさないようにしましょう。

その3

感知器には耐用年数があります。

そのため、経年劣化で内部構造が歪んでしまい、誤作動を起こす可能性があります。

経年劣化した感知器を放置しておくと誤作動が頻発するだけでなく、本当の火災のときに感知してくれない可能性が考えられます。

煙感知器だと10年、熱感知器だと15年が交換目安となっています。

感知器は居室に一つずつ設置されてるケースも多く、数が多いので、定期的な点検と適切なタイミングでの交換が重要です。

まとめ

今回はガス報知器と火災報知器の見分け方と誤作動発生時の原因と止め方について解説してきました。

キッチンなどの、ガスも火も使用しているところではガス報知器と火災報知器が一緒に設置されているケースがほとんどです。

ですが、形状も役割も全く異なるため、見分けるのは簡単です。

誤作動が発生しても焦らずに、まずは本当にガス漏れや火災が発生していないかを確認することが重要です。

ガス漏れに関しては目視での判断ができないため、とりあえず室内の空気のめぐりをよくするために窓や扉を開けて、換気を行ってください。

火災報知器の警告音がなった場合は落ち着いて、火災があるかどうかを確認してから、停止スイッチを押したり、引き紐を引いて音を止めた上で、原因を探してください。

今回の記事で紹介したものはあくまで一例なので、復旧方法や停止方法を常日頃から調べておく事が重要です。

もし迷った際は今回の記事を参考にしてください。

 

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