消防点検コラム

解説

2022.11.28

消防法も影響?A工事・B工事・C工事を徹底解説

オフィスの移転に伴う内装工事や改修工事の際に「A工事です」や「B工事になります」はたまた「C工事でお願いします」といったやり取りがあることをご存知でしょうか。

 

これらのA工事・B工事・C工事は建設業界の専門用語ですが、ごく日常的に使われており、知らないと痛い目に遭う可能性もあります。

 

とくに、ビル管理者(オーナー)と借主(テナント)にとって絶対に理解しておかなければいけない言葉と言っても過言ではありません。

 

この記事では、A工事・B工事・C工事の基本的な知識をはじめ、消防設備や消防法との関係、注意すべきことなどについてわかりやすく解説します。

 

A工事・B工事・C工事とは

 

はじめに、A工事・B工事・C工事それぞれがいったい何なのかを解説します。

 

A工事・B工事・C工事とは「誰の責任」で「誰が施工」するかの組み合わせを表している、建築業界の専門用語です。

 

具体例を見てみましょう。A工事は「ビル管理者(オーナー)」が「ビル管理者によって選定された業者」を使ってオーナー負担で工事することを表しています。

 

B工事は「借主(テナント)」が「ビル管理者(オーナー)によって選定された業者」を使って借主負担で工事することです。

 

そして、C工事は「借主(テナント)」が「借主によって選定された業者」を使って借主負担で工事することを指しています。

 

専門用語ということもあり、複雑に感じてしまいますが、要するに「誰が金銭を負担」し「誰が工事するか」の組み合わせと考えるとよいかもしれません。

 

A工事・B工事・C工事をより簡単に理解するには、次で紹介する比較一覧表が役立つでしょう。

A工事・B工事・C工事の比較一覧表

 

A工事・B工事・C工事それぞれを一覧で比較すると以下のようになります。

 

工事種別発注主・費用負担・責任者工事業者
A工事ビル管理者(オーナー)ビル管理者(オーナー)が選定
B工事借主(テナント)ビル管理者(オーナー)が選定
C工事借主(テナント)借主(テナント)が選定

 

ビルをはじめとする建物の管理者(オーナー)は、建物そのものや一部の部屋を誰か(借主)に貸すことでビルを運用しています。

 

しかし、借主によってはビルの内装や設備を改修する必要が生じることもあります。例えば、レストランに貸す場合はキッチンやホールの改修工事が必要になり、それに伴って消防設備も設置しなおすことになるかもしれません。

 

他にも、電気工事や外装工事など様々な工事が必要になります。仮に、オフィスとして貸し出す場合であってもパーテーションやインターネット設備、電話工事といったことも検討しなければいけません。

 

この際に、ビル管理者と借主の間で「A工事です」や「B工事になります」、さらには「C工事でお願いします」といったやり取りが発生する訳です。

 

A工事・B工事・C工事を巡っては、ビル管理者と借主の間で円満に話が進めば何も問題ありませんが「費用負担」と「責任」が大きな障害となり、トラブルに発展しがちです。

 

とくに「消防用設備」については、ビル管理者の責任であり借主の責任でもあることから、どちらにでも解釈できる「グレーな部分」として問題が起こりやすくなるのです。

 

A工事・B工事・C工事それぞれの特徴

 

次に、A工事・B工事・C工事それぞれの特徴やメリット、デメリットについて解説します。

 

A工事

 

A工事は、ビル管理者の責任および金銭負担で、ビル管理者が選定した業者によって工事されることを指しています。

 

A工事の主な対象には、ビルの躯体(くたい)やエレベーターといった共用施設全般が挙げられます。

 

他にも、ビルのトイレ、非常階段、排水設備、そして火災感知器や火災報知器といった消防用設備などが対象です。

 

A工事については、基本的に借主が関与することはありません。しかし、借りている部屋にある消防用設備に不具合が生じた場合などはその限りではないでしょう。

 

A工事のメリットとデメリットは原則としてビル管理者にだけ適用されます。なぜなら、借主はA工事の場合、関与しないためです。

 

ビル管理者はA工事の場合、自ら業者を選定でき、建物の資産管理を守れることがメリットですが、金銭的な負担が大きくなることがデメリットと言えます。

 

B工事

 

B工事は、借主の意思によって発生する工事を借主負担で、ビル管理者が選定した業者によって工事することです。

 

例えば、部屋にエアコンを新設することや、パーテーションを新設して部屋を細かく区切りたいとったことなどが該当します。

 

他にも、部屋の排水や排気装置の新調、防水設備、分電盤の増設など、借主によって意思や要望は多岐にわたります。

 

ビル管理者にとってB工事のメリットは、借主に金銭を負担してもらえることと、業者選定できることです。

 

とくに「お抱えの業者(指定業者)」を使うことによる安心感は大きなメリットでしょう。とりわけ、消防用設備に関するような工事は指定業者を使うことで法令違反を回避できます。

 

一方、借主による要求が続くと対応が大変になることなど、苦労が多くなるのはデメリットです。

 

借主にとってB工事のメリットは、工事の調整や工事後のメンテナンスに手間がかからないことがありますが、デメリットとしてコストが高くつく、業者を選べない、思い通りにいきにくいといったことがあります。

 

B工事は、借主が金銭を負担するにもかかわらず、業者を選べないため、最もトラブルが起こりやすい工事法とされています。

 

C工事

 

C工事は借主の意思による工事を借主の負担で、借主が選定した業者によって工事することです。

 

借主にとって最も融通が利く工事方法で、ビル管理者の許可さえ得れば、後は借主の思うように出来ます。

 

具体的には、壁紙やクロスの張替え、インターネットや電話の配線工事、照明工事などが挙げられます。

 

ビル管理者にとってC工事のメリットはコストがかからないことですが、デメリットとしては工事業者が消防用設備を考慮せずに工事してしまうこともあるため、許可を出す前に慎重にならなければいけないことでしょう。

 

借主にとってC工事のメリットは手間やコストが抑えられることですが、デメリットには信頼できる施工業者を選ぶのが大変ということがあります。

 

消防用設備などを無視した雑な工事をされた場合、ビル管理者からやり直しを命じられたり、退去を求められたりするかもしれません。

 

C工事は融通が利くものの、金銭負担も責任も借主になるので注意が必要です。

 

借主(テナント)が注意すべきはB工事

 

先述したように、B工事は最もトラブルが多い工事法のため、借主は注意すべきです。

 

B工事は借主の意思による工事でなおかつ借主が金銭を負担するにもかかわらず、ビル管理者が工事業者を指定します。

 

つまり、工事費用の交渉ができず、通常よりも高い費用負担になる可能性があります。ビル管理者が親身にしている身内や友人の業者を選定された場合、高い金額を支払わされて、裏ではキックバックが行われていることだってあり得ます。

 

そのため、B工事の場合は以下2点の対策をおすすめします。

・ビル管理者に金銭負担を減らすよう前もって交渉する
・C工事で発注した場合を前提にして、業者に見積を出してもらう
要するに、B工事の場合は「ビル管理者の思いのまま」にさせないように、借主としても工夫が必要ということです。

 

借主にとって、内装工事や改修工事は大きな出費になりますので、B工事で進行する場合はとくに気を付けるようにしましょう。

 

ビル管理者(オーナー)が注意すべきはC工事

 

ビル管理者(オーナー)はC工事に注意しなければいけません。例えば、オフィスとして広いワンフロアを貸し出したのに、借主の意思によってパーテーションで部屋を細かく区切られたとしましょう。

 

この際、C工事で入った業者が天井の火災感知器といった消防用設備を覆ってしまうように工事した場合、法令点検でビル管理者(オーナー)の責任が問われてしまいます。

 

C工事の場合、オーナーが関与することなく進行されるケースもあり、さらに工事業者が必ずしも消防用設備の規定を把握しているとは限らないことを理解しておきましょう。

 

オーナーにとって金銭負担がないC工事であったとしても、内装工事や改修工事については前もって双方が確認する契約を結んだ上で、賃貸契約を締結すべきです。

 

双方が注意すべき原状回復工事

 

ビル管理者(オーナー)も借主(テナント)も、原状回復工事をA工事、B工事、C工事のどれで対応するのか注意しなければいけません。

 

原状回復工事とは、店舗やオフィスといった賃貸物件の退去時に借りた時の状態に戻すことです。借主に原状回復義務があり、経年劣化分や消耗分なども対象になります。

 

原状回復にあたり、本来であればA工事(オーナー負担)の工事が、B工事(借主負担)に盛り込まれることが多々あります。

 

つまり、原状回復を借主負担でしてしまえ!と考えるオーナーもいるということです。とりわけ、A工事・B工事・C工事の概念を知らない借主は痛い目に遭いかねません。

 

煙感知器や熱感知器、さらにはスプリンクラーといった消防用設備の新調を借主負担でやらされてしまうこともあるため、借主としては注意しなければいけません。

 

対照的に、本来であれば借主に負担させるべきB工事なのに、A工事でやってしまったということもあり得ます。

 

とくに原状回復工事の場面では双方が注意しないといけません。

 

まとめ

 

A工事・B工事・C工事それぞれの特徴や違いが分かったと思います。専門用語であることや、普段は耳にしない言葉のため理解が難しいかもしれませんが、知っておかないと思わぬトラブルに巻き込まれる可能性があります。

 

消防用設備の法令点検にも影響する部分ですので、オーナーそして借主が共に理解しておくことが大切です。

 

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