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防火区画と消防設備の種類|全国消防点検.com 防火区画と消防設備の種類 – 全国消防点検.com

消防点検コラム

消防法

2019.07.10

防火区画と消防設備の種類

こんにちは!日本全国の消防点検・施工を行っております、全国消防点検.comです!

今回は2つのテーマを勉強していきましょう!

【目次】

1. 火災の拡大を防ぐために仕切る―防火戸
2. 仕切りとして必要な設備の考え方―防火設備と特定防火設備
3. 火災を想定すれば立体的な区画が必要―防火区画
4. 消防と消火に必要な設備と物と施設―消防用設備等

1. 火災の拡大を防ぐために仕切る―防火戸

開口部に防火戸と呼ばれる防火上一定の性能を持つ仕切りを設け、隣接する部屋や箇所への延焼や火災の拡大を防ぐために燃えにくい準耐火構造や耐火構造の壁や床、または防火戸などを使って建物を一定の区画に区切ります。これが防火区画の基本的な概念です。こうした防火区画があることで、炎や煙を一定領域内に封じ込めることができ、延焼を防いだり避難経路や避難する時間を確保することが可能となるのです。小学校などで見かけたことがあるのではないでしょうか?
防火戸は、木造の建築物では延焼のおそれのある部分の開口部に必要になります。階段や吹き抜け、メゾネット住戸など縦に空間が広がっている部分は炎や煙が広がりやすく危険です。

2. 仕切りとして必要な設備の考え方―防火設備と特定防火設備


防火設備とは、耐火建築物や準耐火建築物の延焼のおそれのある外壁の開口部に設ける防火戸と、ドレンチャーなど、外壁や屋外に設ける設備をいいます。遮炎性能は20分を要求されます。この性能は建築基準法で定められていた、かつての乙種防火戸の規定と同じです。なお、一定の条件を満たした開口部を塞ぐ外壁や袖壁、塀も防火設備とみなすことができるます。(面積区画とぶつかる外壁は、そこを含む90㎝以上の外壁を準耐火構造とするか、50㎝以上突出した庇を準耐火構造とし、開口部があった場合は防火設備としなくてはなりません。防火区画に接する外壁は「スパンドレル」と呼ばれる準耐火構造を持った外壁にしなければならない場合があります。スパンドレルを設置しないと、建物の中で延焼を防いでも、外から炎が燃え移ってしまうからです。)


特定防火設備は、屋内の防火区画に設置する防火戸で、1時間の遮炎性能を要求されます。遮炎性能はかつての甲種防火戸の性能基準に準拠しており、材質、厚さなどの基準が示されています。

3. 火災を想定すれば立体的な区画が必要―防火区画


防火区画とは、火災発生時に火煙が広がることを防止し、避難しやすいように設ける区画です。大規模な木造建築物の防火区画には防火壁によって行いますが、平面的な区画では十分とはいえません。火災の拡大による被害を局所的なものにとどめるため、また避難を容易にするためには、立体的な防火区画計画が重要になります。主要構造部を耐火構造、準耐火構造とした建築物は壁、床による立体的防火区画が可能です。防火区画を設置する際に、貫通するダクトや管がある場合、貫通部分の周囲は不燃材料で埋める必要があります。また、建築物に竪穴がある場合、竪穴から炎や煙が広がってしまう恐れがあります。特に階数が多い都市部のビルや商業施設は、竪穴区画で区切られていないと、大規模な事故につながる可能性が高いです。

●区画の考え方は被害を最小限に収めるため―防火区画の種類

建築基準法施行令で規定されている防火区画は以下のように区分されます。
①面積区画:主に水平方向の火災拡大を防ぐために一定の面積ごとに区切ったものです。面積区画は、広さや耐火建築物の構造などによってさらに対応方法が分けられています。(映画館や劇場、体育館などは、大きな空間を必要とする用途であるため、細かく仕切れません。)


②高層階区画:高層階へは一般のはしご車は届かないため、11階以上はより小さい面積で区画します。建築物の11階以上の部分で、各階の床面積の合計が100㎡を超えるもののうち、壁及び天井の室内に面する部分の仕上げを準不燃材料でして、その下地を準不燃材料で造ったもの、また、壁及び天井の室内に面する部分の仕上げを不燃材料でして、その下地を不燃材料で造ったものによっても区画が変わります。階段室・昇降機の昇降路(乗降ロビーを含む)廊下・その他避難のための部分は除きます。
③竪穴区画:階段や吹き抜け、エレベーターシャフト、ダクト等のことで、竪穴区画は竪穴をそれ以外の区域と区画することで、炎や煙が別の階へ行くのを防いでいます。主要構造部が耐火構造又は準耐火構造で、3階又は地階に居室がある場合に必要になります。(体育館、工場などに使う建築物の部分または階段室の部分などであるものに限り、次の基準を満たす場合は、それらの竪穴部分を1つの竪穴部分とみなします。)
④異種用途区画:共同住宅に飲食店などの店舗が併設されているものなど、複合用途を持つ特殊建築物は、用途ごとによる区画をします。こうした複合用途建築物は防火上、特に注意が必要です。

防火区画については以上になります。他にも天井に防壁を設置する方法や、基準の面積毎に不燃材料で間仕切りしてしまう方法があります。防火区画とは異なる法律ですが、同じように守る必要があります。

4. 消防と消火に必要な設備と物と施設―消防用設備等


消防用設備等とは、消防法に規定される「消防の用に供する設備、消防用水及び消火活動上必要な設備」をいいます。防火対象物の関係者は、法で定める基準に従ってこれらの設備を設置しなければなりません。この設置義務制度は、消防法と建築基準法等によって規定される、火災の予防と早期発見、通報、初期消火、避難、さらに消防隊の活動の利便性に配慮して火災の軽減を図るためのものです。

●火災の予防、消火、避難のために―消防用設備等の分類


消防設備等は、その役目や機能により以下のように分類されます。
1.消防の用に供する設備
①消火設備:火を消すための設備(装置)
消火器・簡易消火用具(水バケツ、水槽、乾燥砂等)・屋内消火栓設備・スプリンクラー設備・水噴霧消火設備・泡消火設備・不活性ガス消火設備・ハロゲン化物消火設備・粉末消火設備・屋外消火設備・動力消防ポンプ設備等
②警報設備:火災の発生(予兆)を知らせる設備
・自動で知らせるもの
自動火災報知設備(自火報)・ガス漏れ火災警報設備・漏電火災警報器等
・手動で知らせるもの
消防機関へ通報する火災報知設備・非常警報器具(警鐘、携帯用拡声器、手動式サイレン)・非常警報設備(非常ベル、自動式サイレン、放送設備)
③避難設備:火災発生時に避難するために用いる用具、表示等
すべり台・避難はしご・救助袋・緩降機その他避難器具・誘導灯・誘導標識
2.消防用水
防火水槽、またはこれに代わる貯水池、その他の用水で、火災時に消防ポンプ自動車が火災のために使用する水を貯めておく水槽や池のことをいいます。
3.消火活動上必要な施設
連結送水管・連結散水設備・非常コンセント設備・無線通信補助設備・非常用エレベーター・排煙設備等で、消防隊の消火活動が効率的に行われるために必要な設備です。

最近は消防の立ち入り検査があってお問い合わせを頂くことが多くなっております。
近いうちに「立入検査」について書いてみようかと思います。

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