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2020.12.17
業務用エアコンは点検義務があります!
【目次】
1. 業務用エアコンの点検は義務化されました
2. 管理者の義務内容
3. 管理者への罰則について
4. 業務用エアコン点検の費用相場
1. 業務用エアコンの点検は義務化されました
2015年に施行されたフロン排出抑制法をご存知でしょうか。オゾン層の破壊と温室効果が問題になっている現在、経年劣化したエアコン設備不良などの漏えいを規制するためにできた法律です。この法律ではエアコンや冷凍冷蔵機器など、業務用として製造・販売された機器や冷媒としてフロンガスが充填された機器を使用する管理者に対して、定期的な設備点検を義務付けています。
たとえば店舗オフィス用エアコンや業務用マルチエアコン、設備・工場用エアコン、ターボ冷凍機、自動販売機、ショーケース、製氷機などです。
ちなみにルームエアコンやカーエアコンは対象外とされています。
2020年4月には法改正があり、違反内容によっては行政からの勧告・命令を受けることなく、直接罰の対象となる可能性があるので気をつけましょう。
管理者となるのは一言で言えば「業務用エアコンや冷凍冷蔵機器を所有し、管理している人」。
自己所有・自己管理している設備はその所有者、リースやレンタルは日常的に使用、管理している人、そして他人所有・他人管理している設備はビルや建物のオーナーが管理者となります。
管理者を明確化していなければ責任問題に発展する可能性がありますので、飲食店や商業施設で業務用エアコンを使用する方は必ず確認するようにしてください。
2. 管理者の義務内容
管理者に課せられている義務内容は主に以下の5つです。
適切な設置場所の確保と使用環境維持の義務
業務用エアコンは適切な位置に設置し、適正な使用環境を維持する必要があります。
そのためには機器及び配管部品の損傷の原因となるような振動源を設置場所からどかし、点検と設備が行えるような空間を確保しましょう。
また、排水版や凝縮器・熱交換器の付着物や排水は定期的に除去し、設備の上に別の設備を設置する際は設備を破壊しないようにしましょう。
点検の種類と頻度
業務用エアコンは定格出力に応じて、点検を行います。
点検の種類は管理者自らができる簡易点検と、有資格者が行う定期点検のふたつです。
定格出力についてはエアコン室外機に貼られているシールから確認できます。
「出力 圧縮機 ●●kw」とある●●kwが定格出力です。
二つの点検の種類と対象機器、頻度、実施者については以下をご確認ください。
点検の種類 | 点検対象機器 | 点検頻度 | 点検実施者 |
簡易点検 | すべての業務用エアコン、冷蔵冷凍機器 | 3か月に1回以上 | 安全に実施可能であれば誰でも可能 |
定期点検 | ① 冷凍冷蔵機器定格出力7.5kw以上 ② 空調機器定格出力7.5kw以上 ③ 空調機器定格出力50kw以上 | ① 1年に1回以上
② 3年に1回以上
③ 1年に1回以上 | 有資格者(第2種冷媒フロン類取扱技術者) |
ちなみに簡易点検の主な点検項目は以下の4つです。
・異音、異常振動がないか
・油にじみ、傷、腐食、サビがないか
・配管や熱交換器に霜がついていないか
・ごみの付着、室外機の植物の絡まり、配管の劣化状況
一般社団法人日本冷凍空調設備工業連合会のサイトでは、点検項目やチェックフォーマットがついたマニュアルが公開されています。
定期点検を実施する場合は、冷媒フロン類取扱技術者(有資格者)が実施しなければいけません。また、依頼先は充填回収業者(登録業者)である必要があります。
漏えい時の義務
万が一フロンが業務用エアコンから漏れてしまった場合、管理者は速やかに漏えい場所を特定して修理をしなければいけません。
現在はフロンを充填したり、放出したりすることは禁止されています。
エアコンを付けているのに冷風・温風が出なかったり、室内外機の配管や熱交換器の一部に白い霜がついていたりしたら漏えいを疑いましょう。
また、1年間の記録においてフロンの漏えい量が1,000ton-CO₂以上あった場合、その業務用エアコンの管理者は特定漏えい者になります。
こうなった場合、管理者は速やかに所轄の大臣へ「フロンの漏えい量報告」を報告しなければいけません。
点検・修理などの記録と保存の義務
適切な管理を行うためには、点検や修理、回収などの履歴を機器ごとに記録し、一定期間保管しなければいけません。
3年間保管が必要なものは①委託確認書②再委託承諾書③委託確認書兼引取証明書の3つです。
また、漏えい点検記録簿は機器廃棄時まで保管する必要があります。
また、保管義務はありませんがフロンを充填・回収したときに業者が管理者へ30日以内に提出する充填証明書や回収証明書は機器廃棄時まで保管することが望ましいと言われています。
3. 管理者への罰則について
業務用エアコンなどを適切に取り扱わなかった場合、管理者へ罰則が課せられますので注意しましょう。
罰則対象となるのは以下の5点です。
罰則行為 | 罰則・罰金 |
フロン類をみだしに放出した場合 | 1年以下の懲役 または50万円以下の罰金 |
点検義務や漏えい時の対応、記録の保管に違反した場合 | 50万円以下の罰金 |
都道府県の立入り検査の収去の拒否、妨げ、忌避した場合 | 20万円以下の罰金 |
フロン算定漏えい量の未報告・虚偽報告の場合 | 10万円以下の罰金 |
フロン類回収時の行程管理表の交付を怠った場合 | 50万円以下の罰金 |
4. 業務用エアコン点検の費用相場
簡易・定期点検ともに費用相場は1~1.5万円と言われています。(2020年現在)
複数台オーダーしたり、簡易点検と定期点検を行ったりすると1台当たりの単価が下がることもあるので、できれば同時に点検に出しましょう。
また、点検記録簿作成費が別途必要にかかりますが、こちらの相場は3,000~5,000円です。
業務用エアコンの点検を含む法令点検は一括してスマテンへ!
業務用エアコンはきちんと定期点検を受けなければ罰則の対象となり、大きな反則金を支払わなければならないことも。それだけではなく、フロンが漏れてしまうと取り返しのつかない事故を起こす可能性があります。事故を起こしてしまうと、最悪の場合人の命を奪うことになりますし、そうでなくても経営している店舗や管理しているビルの評判を著しく低下させることになるでしょう。
そのようなことがないように、きちんと定期点検を受けるようにしてください。
スマテンでは業務用エアコンの定期点検をはじめとする、さまざまな法令点検を受け付けています。
お見積もりは無料で行っておりますので、一度ぜひお問い合わせください。