消防点検コラム

民泊における消防法令適合通知書の届出について解説

昨今の日本観光ブームに伴って需要が増加している「民泊」を始めてみようと考えている人もいるかもしれません。

民泊は自分の住居をホテル代わりに使ってもらうことで収益が得られることや、利用者に多い外国人との交流を図れるなど様々なメリットがあるとされています。

一方、民泊を始める際には、多くの場合において消防用設備の新設や「消防法令適合通知書」の取得および届出が必要になることから、正しい知識を身に付けておかなければいけません。

そこでこの記事では、消防点検のプロが「民泊の消防法令適合通知書の届出」に関することを、これから民泊を始めようと考えている人に向けて分かりやすく解説します。

住宅宿泊事業法(民泊新法)とは

民泊における消防関連の届出や、民泊運営に興味がある人が最低限理解しておかなければいけない法律が、民泊新法と呼ばれる「住宅宿泊事業法」です。

住宅宿泊事業法(民泊新法)とは、2018年6月15日から施行された法律のことで、一般的な住宅等を、従来の旅館業法で定める4つの営業形態(ホテル、旅館、簡易宿所、下宿)とは別に、新しい営業形態「住宅宿泊事業」として規定するものです。

ごく簡単に言えば、一般住宅を宿泊事業の場として法律でも認めるということになります。これにより、民泊を利用する人の利便性や経済性が良くなる他、家主にとって新たな収益源になるといったメリットがあります。

一方で、民泊を始めるにあたっては、利用者の安全を守るための設備投資が必要になります。その代表的なものが、消火器や誘導灯、そして自動火災報知設備といった「消防用設備」です。

これらの消防用設備は、対象となる宿泊施設の延床面積や家主の在宅状況によって変動します。また、特区(民泊特区)などによっても条件が変わります。

つまり、消防用設備の設置が必要かどうかの前提条件を理解し、必要とされる消防用設備を設置しなければならない訳です。

対象となる民泊施設において、消防用設備の設置基準を満たしているか否かについては、民泊申請の際に必ず必要になる「消防法令適合通知書」によって証明されるため、これから民泊を始めようと考えている人は、消防法令適合通知書についてしっかり理解しなければいけないことを覚えておきましょう。

参考:民泊における消防法令上の取扱い等について、消防庁

民泊運営に必要な消防法令適合通知書とは

民泊を始めるにあたり必ず必要になる「消防法令適合通知書」とは、対象となる建物において、消防法令に適合しているか否かを消防機関が証明するための書類で、一般的には「適合書」と呼ばれています。

消防法令適合通知書は、ごく簡単に言えば「設置が義務付けられる消防用設備を正しく設置しているか」を証明するもので、消防機関によるお墨付きと言えるでしょう。

民泊を始める際には、各都道府県の保健所等に届け出る必要がありますが、申請時に行政組織が適合書を見ることで問題なしと把握できる仕組みになっています。

つまり、民泊を始める場合、消防用設備の設置については「管轄の消防署」から消防法令適合通知書を交付してもらい、なおかつ適合書と共に「保健所」に住宅宿泊事業法の届出をする必要がある訳です。

消防法令適合通知書は、民泊として使用する施設の消防用設備が基準を満たしているかを証明するために欠かせない書類ということを知っておいてください。

 

消防法令適合通知書を取得するのに必要な書類

民泊を始めるのに必要な消防法令適合通知書を取得するためには、以下の書類が必要です。

・消防法令適合通知書交付申請書
・付近見取り図
・平面図、立面図、敷地配置図
・その他

消防法令適合通知書交付申請書

「消防法令適合通知書交付申請書」は、消防法令適合通知書を取得するための申請用紙です。管轄の消防署や消防庁のウェブサイトからダウンロードできます。

参考:住宅宿泊事業の届出に伴う消防法令適合通知書の交付について

付近見取り図

「付近見取り図」は、民泊として使用する建物周辺の施設や建物を含んだ見取り図のことです。

該当建物の周辺環境や、緊急車両が進入するための道路状況といったことを判断するために用いられます。

平面図、立面図、建物配置図

「平面図、立面図、建物配置図」は、民泊として使用する建物内や敷地を書面上で把握するために使用するもので、不動産会社や建築士に準備してもらう必要があります。

一般的に、平面図や立面図などに加えて、設備配置図や各階平面図といった書類が多いほど、消防用設備の設置基準が明確になりやすいとされているため、消防機関と申請者の間における誤解や認識のズレを防ぐのに役立ちます。

その他

自治体や建物の規模などによっては「工事整備対象設備等着工届出書(着工届)」や「消防用設備等設置届出書(設置届)」「防火管理者選任届出書」「消防計画作成届出書」そして「防火対象物使用開始届出書(使用開始届)」など、追加の書類が必要になるかもしれません。

これらの必要性については、消防法令適合通知書を取得する流れの「管轄の消防署に相談」の時点で判明すると考えてください。

消防法令適合通知書が交付されるまでの流れ

民泊運営を届け出るにあたり消防法令適合通知書は欠かせません。消防法令適合通知書を取得するまでの流れは、おおむね以下のような流れを辿ります。

・管轄の消防署に相談
・消防用設備の手配および設置
・消防法令適合通知書交付申請
・管轄の消防署による検査(書類および立入)
・交付

それぞれの工程について解説します。

管轄の消防署に相談

民泊運営に必要な消防法令適合通知書を取得するにあたり最初の工程となるのが「管轄の消防署に相談」です。

この工程は、対象となる住宅や施設において、具体的にどのような消防用設備の設置が必要になるのかを把握することが目的になります。

相談にあたり、消防署の担当者が正確に理解できるよう、あらかじめ物件の平面図や立面図、そして建物配置図を準備しておくことをおすすめします。

消防用設備の手配および設置

次の工程は「消防用設備の手配および設置」です。消防署に相談したことで明らかになる具体的な消防用設備を準備します。

消防用設備については、一戸建て住宅なのか共同住宅なのか、建物の延床面積、さらに利用者が宿泊する際の家主の在宅状況などによって条件が変わります。

例えば、一戸建て住宅で宿泊部屋の床面積が50平方メートル以下、なおかつ家主が在宅するような場合だと、一般住宅として判定されるため、住宅用火災警報器のみ設置すれば良いとなります。

消防法令適合通知書交付申請

消防用設備の設置が完了すれば「消防法令適合通知書交付申請」に移行します。この工程について簡単に言うのであれば「準備が出来たので審査を申し込む」となります。

管轄の消防署に対して、交付申請書ならびに物件の図面などを合わせて提出します。対象となる建物の規模や収容人員によっては、防火対象物使用開始届といった別の書類が必要になるかもしれませんが、最初の工程の時点で教えてもらえるはずです。

この工程で「書類が足りない」や「消防用設備を巡る解釈が違う」といったトラブルが起きないように「管轄の消防署に相談」の工程が重要になります。

管轄の消防署による検査(書類および立入)

次の工程が「管轄の消防署による検査(書類および立入)」です。検査は書類と立入検査の2つがあり、消防職員が申請内容に相違がないかや、消防用設備が正しく設置されているかを現場にて確認します。

なお、自治体によっては、消防機関による検査に先立って、独自の検査を実施することもあるため、そのようなケースがあることを認識しておいてください。

交付

最後の工程となるのが「交付」です。おおむね、立入検査から1週間から10日で正式な消防法令適合通知書が交付され、民泊申請の届出で最も肝心な書類が取得できます。

参考:民泊サービスを始める皆様へ、厚生労働省

民泊で消防法令適合通知書の届出以外に必要な書類

消防法令適合通知書を取得したら、住宅宿泊事業者の届出に進みます。この手続きでは原則としてオンラインの「民泊制度運営システムminpaku」を利用することになります。

申請にあたり消防法令適合通知書の他、必須とされている書類は以下の通りです。民泊申請においては「書類の準備」が最も大変な作業と言われていますので、抜け漏れがないよう注意してください。

・届出書
・破産手続開始の決定を受けて復権を得ない者に該当しない旨の市町村長の証明書
・欠格事由に該当しないことを誓約する書面
・住宅の登記事項証明書
・住宅が「入居者の募集が行われている家屋」に該当する場合は、入居者募集の広告その他それを証する書類
・「随時その所有者、賃借人又は転借人に居住の用に供されている家屋」に該当する場合は、それを証する書類
・住宅の図面(各設備の位置、間取り及び入口、階、居室・宿泊室・宿泊者の使用に供する部分の床面積)
・賃借人、転借人の場合、賃貸人が承諾したことを証する書類
・転借人の場合、賃貸人及び転貸人が承諾したことを証する書類
・区分所有の建物の場合、規約の写し
・規約に住宅宿泊事業を営むことについて定めがない場合は、管理組合に禁止する意思がないことを証する書類
・委託する場合は、管理業者から交付された書面の写し

このように、民泊を始める際には、消防用設備の基準を満たしているかを担保するための「消防法令適合通知書」とは別に、合計12種類の書類が必要であることを覚えておきましょう。

引用:届出の際の添付書類、minpaku

まとめ

民泊においては消防の届出として「消防法令適合通知書」を取得しなければいけないことが分かったと思います。

消防法令適合通知書を取得する一連の手続きは、民泊に対する実質的な消防点検のようなものであり、対象の民泊施設における消防用設備等の有効性を証明する役割があります。

これから民泊を始めようと考えている人は、消防法令適合通知書の届出が不可欠であることを理解し、不明な点があれば消防点検のプロに相談するようにしてください。

 

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