消防点検コラム

消防用設備

2023.04.26

非常用自家発電設備の特徴と点検方法について紹介

多くの人にとって、電気のない生活は考えられないかもしれません。

当たり前すぎて忘れていますが、我々は日夜電気を消費して生活しています。

地震や大きな災害によって、電気の供給が止まってしまうと、携帯の充電はおろか、信号機などの交通機関もシャットダウンしてしまう可能性があります。

大規模な商業施設や医療機関などでは、万が一の事態に備えて非常用自家発電設備の設置が義務付けられています。

今回は、非常用自家発電設備の設置基準などを紹介します。

非常用自家発電設備とは

日本では、長期にわたるような大規模な停電はそこまで多くはありません。

しかし、火災やその他の災害を原因とした電力供給の切断が発生し、発電機がないと、非常時のために設置している消防用設備の消火機器やスプリンクラー、警報機などが動かせません。

あくまで、非常時の避難や初期消火のための消防用設備を動かすために発電機の設置を義務付けています。

非常用自家発電設備の種類と特徴

非常用自家発電設備には、大きく分けてオープン型とキュービクル式の2種類があります。

発電機室のような室内に、原動機と発電機が露出しているものがオープン型です。

反対に、建物の外側や屋上などに設置されている、専用のキュービクルと呼ばれる外箱に原動機と発電機が内蔵されているものがキュービクル式と呼ばれています。

原動機の種類

非常用発電機は原動機を利用して動力を作り出します。

原動機にも種類があり、それぞれに特徴があります。

ディーゼルエンジン

ディーゼルエンジンは、シリンダ内に吸い込んだ空気を圧縮し、高温となった圧縮空気中に燃料を霧状に噴射して自己点火を起こし、爆発燃焼させて動力を得る方式です。

小型のものから大型のものまで幅広く種類がありますが、同じエンジンが他の多くの産業でも使用されているため、汎用性も高く、上部で信頼性が高いのが魅力的です。

その産業用としても使用されているという汎用性から部品も多く流通しており、安価に修理・交換を行うことができます。

燃焼用の燃料には軽油を使用します。

また、大型のものになると、船舶用のエンジンとしても使われているため、耐久性も兼ね揃えています。

メンテナンス費用や導入費用も安価に済むのが特徴です。

反対に、その構造上、ピストン運動を繰り返すため、エンジン音と振動が大きいのがデメリットです。

また、軽い負荷運転にも適しておらず、軽負荷運転時には黒煙などの未燃焼カーボンが発生しやすくなっています。

 

発電機の周辺装置を簡略化するためにも水冷方式が多く採用されており、冷却装置の据付や比較的大きな設置面積が必要というデメリットもあります。

 

ガスタービンエンジン

ガスタービンエンジンはまず、圧縮機で空気を吸い込んで圧縮し、燃焼器で燃料を燃焼して圧縮空気を過熱します。

高温高圧となった燃焼ガスは、タービンで膨張し、熱エネルギーが機械エネルギーに変換されます。

ディーゼルエンジンと比較して静音性や低振動性に優れています。

燃料の燃焼方式により、排気ガスの環境負荷が小さいという利点があります。

また、燃焼効率も高く、軽負荷運転にも対応でき、発電が安定しているという三拍子そろった方式ですが、コストが非常に高いという致命的なデメリットが存在します。

タービン本体の価格も高額な上、燃料の消費量はディーゼルエンジンの約2倍ほどで、さらには、燃料を貯蔵するタンクには十分な大きさが必要というほどです。

以上から小型発電機を使用する際のメリットは少なく、必要電力量が500kVAを超えるほどの大型な発電機を導入する際に使われています。 

 

ランニングコストの観点だと、ガスタービン方式を販売しているメーカーも少なく、補修部品を安価で手に入れづらいという特徴があります。

ちなみに、ディーゼルエンジンは、他業種でも利用されているため、豊富な修理会社や部品があります。

非常用自家発電設備の負荷試験

非常用発電設備は非常時にしっかりと機能しなければいけないため、定期的な点検が必要です。

設備の機能を保つためとはいえ、1年に1回負荷試験を実施するのはなかなか大変です。そのためか、平成30年6月1日交付の「平成30年消防庁告示第12号」によって、負荷試験の実施周期の見直しが行われました。

負荷試験をおこなう際は、消防設備士もしくは消防設備点検資格者と、自家発電設備専門技術者の資格を保有する人業者に依頼しましょう。

点検方法に負荷運転以外のものを追加

以前は、負荷運転のみが点検の方法でしたが、発電機の設置場所によっては点検装置の設置が困難であったり、商用電源を停電させる必要があったため。

内部観察が追加されています。

点検周期は6年に1度でOK

予防的な保全策がしっかりと講じられている場合は、負荷運転の実施周期を6年に一度で済むようになっています。

予防的保全策とは、余熱線・点火栓・冷却水ヒーター・潤滑油プライミングポンプが設けられている場合は1年ごとの確認をすることや各部品に置ける、メーカーが指定する交換期間内に交換していることを指します。

このような確認や交換を1年ごとにしているのならば、大がかかりな負荷運転を毎年していなくても、運転性能に問題はないとされています。

原動機にガスタービンを用いている場合は負荷運転は不要

これまでは、ガスやディーゼル関係なく、負荷運転を義務付けていましたが、データを見てみると、ガスタービンの無負荷運転とディーゼルエンジンの負荷運転で機械的及び熱的負荷に差が見られず、排気系統等における未燃燃料の蓄積等もほとんど発生しなかったことがわかりました。

以上からガスタービンを使用している原動機は負荷運転が不要になりました。

換気性能点検は 無負荷運転時などに実施するように変更

換気性能の点検はこれまで、負荷運転時に行っていましたが、外気温に大きく依存することがわかり、このように変更されました。

非常用自家発電設備の設置と点検

非常用自家発電設備を設置する場合は、関係省庁や自治体に届け出を出さなければいけません。

様々な角度での基準もあり、電気事業法消防法、建築基準法、火災予防条例を土に準拠して設置しなければいけません。

防災の観点における非常用自家発電設備とは、冒頭でも紹介したように、スプリンクラーや火災報知器などの防災器具が非常時でも動作するために設置されています。

消防法

消防用設備を備える、延べ床面積1000平方メートル以上の病院や商業施設、オフィスビルは非常用自家発電設備の設置対象です。

これは、火災報知器や誘導用、非常用エレベーターなどの設置が義務付けられているため、それに伴い発電機も義務化されています。

延べ床面積1000平方メートル以上の場合、消防用設備や発電機などの動力源を点検する必要があります。半年に1回実施する機器点検と1年に1回実施する総合点検の2つあり、その結果を管轄の消防署長に報告しなければなりません。

建築基準法

こちらは少々大雑把な基準になりますが、非常用設備で電気を使用する可能性があるものが設置されている場合は、発電機の設置が合わせて義務化されています。

点検は、一級建築士、二級建築士、建築設備検査員、昇降機検査員、防火設備検査員などの有資格者が行います。

定期的なメンテナンス

負荷点検は、「平成30年消防庁告示第12号」によって、規定に準じていれば、6年に1度だけで済むようになりました。

その規定とは、予防的保全策を講じて各設備の確認を1年ごとにすることや各部品に置ける、メーカーが指定する交換期間内に交換していることでした。

つまり、定期的なメンテナンスは負荷点検ではなく、予防的保全策ということになります。

予防的保全策には以下のようなものが含まれます。

・1年ごとの確認が必要なもの(自動起動と自動停止装置に異常がないかの確認)

予熱栓、点火栓、冷却水ヒーター、潤滑油プライミングポンプ

・メーカーの指定する推奨交換年があるもの

潤滑油、冷却水、燃料フィルター、潤滑油フィルター、ファン駆動用Vベルト、冷却水用等のゴムホース、パーツごとに用いられるシール材、始動用の蓄電池等

しかし、未だ点検担当者の認識が甘いところもあり、負荷点検のみを毎年行う業者もあるようです。

負荷点検のみを行うと、むしろ設備に負担をかけ、故障に繋がりかねませんので余計なコストを支払わないためにも、周知の徹底が必要です。

まとめ

自家発電設備は、防災設備を停電時でもきちんと動かせるようにするための重要な設備です。

火災などの災害が発生した上で、電気の供給もされない場合に真価を発揮する設備のため、なかなか日の目を浴びない設備です。

しかし、非常事態には欠かせない設備でもあり、定期的な設備の点検は不可欠です。

平成最後の年に行われた法改正により、コストや設備の負担を抑えた点検が可能になりました。

適切な負荷試験や予防的保全策を講じて、設備が長持ちするようにメンテナンスをしましょう。

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