消防点検コラム

COLUMN

2023.03.30

消防設備士試験の難易度が簡単な順番は?

「消防設備士試験の難易度の順番は?」や「消防設備士試験の難易度や受験する順番が知りたい」という人は多いと思います。

消防設備士は実用性が高く、試験の難易度は中程度とされていることから、いつの時代も人気の資格として知られています。

一方で、消防設備士の資格は合計8種類(厳密には13種類)存在し、それぞれで難易度も変わるため「難易度が容易な順番で試験に挑むこと」が得策と言われています。

そこでこの記事では、消防設備士試験の難易度を考慮したおすすめの順番、さらには消防設備士試験の難易度を下げるのに役立つ別の資格などについてわかりやすく解説します。

消防設備士とは

消防設備士における難易度の順番を理解するためには、消防設備士とは何かを知っておくことが大切です。

消防設備士とは、様々な消防用設備の点検や整備、さらに設置工事ができるようになる国家資格です。

消防設備士の資格(免状)は大きく分けて8種類、このうち5種類は甲種と乙種があり、すべて合計すると全13種類の資格で構成されています。

消防設備士の資格は、取り扱えるようになる消防設備によって「免状の種類」が分類されていることが特徴です。

例えば、消火器の点検・整備を行えるようになるためには「乙種第6類」、金属製避難はしごや救助袋などの点検・整備は「乙種第5類」、設置工事をするとなると「甲種第5類」となります。

消防設備士における甲種と乙種の違いは「設置工事ができるか否か」です。甲種は「点検、整備、設置工事」ができる資格であるのに対し、乙種は「点検と整備」に限定されています。

このような特徴から、消防設備士の資格取得を目指す人は「取り扱う消防設備」や「設置工事の有無」、さらには「業務上必要なもの」といったことを前提に絞り込んでいくことになります。

純粋に消防設備士の資格を取得したいだけの人は「簡単な順番」や「興味があるもの」からスタートしても良いですが、順番や選び方を間違えると効率が悪くなる可能性があるので、前もってしっかり計画を立てましょう。

消防設備士の免状8種(全13種類)

消防設備士における難易度の順番は必ずしも免状の種類順とは限りません。例えば、第7類や第6類が最も簡単かと言えばそうでもなく、第3類の方が第2類よりも平均合格率が低いこともあります。

従って、免状の種類順で受験していくのではなく、各免状がどのような消防用設備を取り扱えるようになるものかを把握することが重要です。

消防設備士の免状は以下のように区分されています。

・特類:特殊消防用設備等(従来の消防用設備等に代わり、総務大臣が当該消防用設備等と同等以上の性能があると認定した設備等)
・1類(甲種と乙種):屋内消火栓設備、スプリンクラー設備、水噴霧消火設備、屋外消火栓設備、パッケージ型消火設備、パッケージ型自動消火設備、共同住宅用スプリンクラー設備
・2類(甲種と乙種):泡消火設備、パッケージ型消火設備、パッケージ型自動消火設備、特定駐車場用泡消火設備
・3類(甲種と乙種):不活性ガス消火設備、ハロゲン化物消火設備、粉末消火設備、パッケージ型消火設備、パッケージ型自動消火設備
・4類(甲種と乙種):自動火災報知設備、ガス漏れ火災警報設備、消防機関へ通報する火災報知設備、共同住宅用自動火災報知設備、住戸用自動火災報知設備、特定小規模施設用自動火災報知設備、複合型居住施設用自動火災報知設備
・5類(甲種と乙種):金属製避難はしご、救助袋、緩降機
・6類:消火器具
・7類:漏電火災警報器

参考:消防設備士試験、一般財団法人消防試験研究センター

消防設備士試験とは

消防設備士試験とは、建物に設置されている消防設備の点検や整備、さらには設置工事などができるようになる国家資格であり、一般財団法人消防試験研究センターが定期的に開催する試験に合格することで免状が与えられます。

消防設備士の難易度の順番を理解するにあたり、消防設備士試験の合格率や受験資格についても知っておくと役に立ちます。

合格率

消防設備士試験の過去5年間の平均合格率は以下の通りです。

・甲種:32.0%
・乙種:38.7%

この合格率は数ある国家資格の中でも比較的高い方であることから、消防設備士の資格が人気の理由になっています。

参考までに、他の国家資格の合格率として、フィナンシャルプランナー1級は13%、マンション管理士は8.5%、司法書士が3.5%ですから、消防設備士の合格率は高いことが分かります。

受験資格

消防設備士には以下のような受験資格があります。受験資格を満たしていないと試験を受けられないため、入念に確認するようにしてください。

上記の表が示すように、消防設備士試験の受験資格は「甲種」のみに適用されます。甲種は消防用設備の「設置工事」ができるようになる資格のため、設置工事に関連する知識や経験が求められます。

甲種の受験資格については一部免除などのルールもあるため、一般財団法人消防試験研究センターの公式サイトでも確認してください。

参考:消防設備士試験甲種について、一般財団法人消防試験研究センター

合格発表

消防用設備試験の合格発表は受験日よりおおむね1か月後です。受験日については、受験する試験種類や最寄りの会場などによって変わります。

需要が少ない乙種第1類などの試験種類は年に3回程度であるのに対し、甲種第4類や乙種第6種といった人気試験種類は年に8回程度実施されています。(東京都の場合)

合格発表の結果、合格していた場合はすぐに「免状申請」をしましょう。免除申請によりカード型の免状が付与されます。(電子申請未対応。有料かつ郵送手続きのみ)

参考:試験情報検索、一般財団法人消防試験研究センター

消防設備士試験の難易度が簡単な順番

消防設備士の難易度を考慮した順番としては以下がおすすめです。

1.乙種第6類および第二種電気工事士
2.甲種第4類
3.甲種第5類
4.乙種第7類
5.甲種第1類
6.甲種第2類
7.甲種第3類
8.甲種特類

第一ステップは乙種第6類および第二種電気工事士

まず「消防設備士の登竜門」と言われる「乙6(おつろく)」から受験するのがおすすめです。理由としては、受験資格制限がないこと、難易度が低いこと、そして日常的に触れる機会が多い消火器が対象のためです。

この段階あるいは事前に「第二種電気工事士」の資格を取得しておくことをおすすめします。なぜなら、第二種電気工事士の資格を保有していると、後々消防設備士の試験において難易度や負担が減るためです。

具体的には、第二種電気工事士の資格を保有していない人が、消防設備士の甲種を受験しようとすると、乙種いずれかの資格を取得してから2年の実務経験が求められます。

つまり、2年間は甲種を受験できない訳です。しかし、第二種電気工事士の資格を保有していることで、2年間の実務経験が免除されるため、消防設備士の資格取得を短期間で円滑に進めやすくなります。

さらに、乙種第7類の試験において筆記試験14問、実技試験5問の免除が受けられるため、試験時の負担が減る利点もあります。

第二ステップは甲種第4類および甲種第5類、そして乙種第7類

次に、甲種第4類および甲種第5類の順番で受験することをおすすめします。理由としては、第二種電気工事士で身に付けた電気に関する知識を用いること、そしていずれも「甲種特類」の取得に不可欠であることが挙げられます。

甲種第4類および甲種第5類では、電気関連の知識が問われるため、できるだけ電気関係の知識が身に付いているうちに取得してしまうことが得策です。

甲種第4類に合格すると、後に控えている乙種第7類において筆記試験が6問免除されます。先述したように、第二種電気工事士の資格を保有していることで受けられる免除と合算すると、筆記試験30問中20問免除、実技試験全5問免除となり、乙種第7類の取得が容易になります。

第三ステップは甲種第1類、2類、3類、そして特類

最後のステップとして甲種第1類、2類、3類、そして特類の順番で受験するのがおすすめです。

この理由として、第二種電気工事士の資格を保有していることで、甲種第1類において電気の基礎知識問題が免除、さらに甲種第1・2・3類すべてで電気関連の問題が免除されることがあります。

甲種特類を受験するためには、甲種第1類、4類、5類に合格していることが条件ですが、甲種第2類および甲種第3類の知識が求められるため、特類を受験する前に甲種第1類、2類、3類に合格しておく方が得策です。

消防設備士資格の難易度と順番を効率化する第二種電気工事士とは

ここまでで消防設備士の難易度や順番がわかったと思います。消防設備士の資格取得にあたり「第二種電気工事士」の資格を保有していれば、消防設備士の難易度や順番が大幅に効率化されますので、合わせて取得することをおすすめします。

第二種電気工事士の資格は以下のような特徴があります。

・年齢制限なし
・実務経験や経験年数は不問
・保有資格要件なし
・筆記試験と技能試験(それぞれ年2回開催)
・筆記試験はマークシート方式
・筆記試験の平均合格率は50%超

  • 技能試験の平均合格率は65%超

参考:第二種電気工事士試験、一般財団法人電気技術者試験センター

まとめ

消防設備士の難易度や順番について解説しました。消防設備士の資格は業務上必要な人もいれば、純粋なチャレンジという人もいるでしょう。

できるだけ効率的に免状を得るためには、消防設備士の種類や難易度、さらには受験する順番を意識して計画を立てることをおすすめします。

 

消防設備点検なら全国消防点検.comまで


全国消防点検.comでは消防設備点検のご相談を承っております。

「古い建物でいつ設置されたものかわからない・・・」
「消防設備についてよくわからないし、点検もしているのかな?」

などなど、些細なことでもご相談を承っております。

消防点検に限らず、様々な設置や点検等も承っており、
依頼する業者をまとめたい、点検類をまとめて依頼したいなど幅広くご相談が可能です

まずはご相談だけでも大歓迎です!
どうぞお気軽にお問い合わせください。

かんたん10秒ご相談・見積もりフォーム

    • お名前必須
    • お電話番号必須
    • メールアドレス必須
    • 建物の所在地必須
    • ご相談内容必須