消防点検コラム

解説

2022.11.28

消防設備士の更新や失効、救済措置を徹底解説

消防設備士の更新をしていないという人や、消防設備士の講習を受講していないという人は意外に多いようです。

 

消防設備士の資格は日常的な業務で使用しない限り、ついつい更新時の講習を受け忘れたり、減点がかさんでしまって失効してしまったりすることがあります。

 

せっかく取得した消防設備士の資格ですから失効だけは避けたいところです。一方で、更新や失効、さらには失効後の救済措置などのルールについて正しく理解していない人も多いのではないでしょうか。

 

この記事では消防設備士の更新や失効、救済措置をはじめ、これから消防設備士の資格を取得する人にもあらかじめ知っておいてほしい情報をまとめています。

 

すでに消防設備士の資格を持っている人、これから取得する人、いずれにも役立つ情報ですので、ぜひ参考にしてください。

 

消防設備士とは

 

消防設備士とは、様々な建物内に設置されている消防設備の点検や整備をするための国家資格のことです。

 

消防設備士は「甲種」と「乙種」のふたつに大きく分類され、甲種は消防用設備の点検、整備、設置、そして交換工事が出来るようになります。

 

一方、乙種は消防用設備の点検と整備に限られることから、甲種と乙種の違いとしては「設置や交換工事が出来るか否か」が大きなポイントです。

 

甲種は第5種から特類の6カテゴリ、乙種は第7種から第1種の7カテゴリに細かく区分けされています。

 

それぞれ取り扱えるようになる消防用設備等の種類が異なり、第5類の資格を取得すると金属製避難梯子や救助袋、第2種では泡消火設備、第1種ではスプリンクラー設備などを取り扱えるようになります。

 

消防設備士は国家資格であることや、高度な区分を保有していることで仕事の幅が広がるといったメリットがあり、とても人気がある国家資格として知られています。

消防設備士の甲種

 

消防設備士の甲種とは、消防用設備の点検、整備、設置、交換工事までの一連が出来る資格で、第5類、第4類、第3類、第2類、第1類、そして特類があります。

 

甲種は消防用設備の設置と交換工事が出来る資格であることから、乙種と比較してより専門性が問われることが特徴です。

 

事実、乙種では受験資格がないのに対し、甲種の場合は「資格または実務経験」さらに「学歴」も求められます。

 

また、試験の際には乙種にはない「製図」と呼ばれる問題があります。消防用設備の設置や交換工事に備えて、設計図のような図面を見て感知器の配置や警戒区域の間違いなどを理解できるようにならないといけません。

 

一般的には「消防設備士の甲種はハードルが高い」と言われています。

 

消防設備士の乙種

 

消防設備士の乙種とは、消防用設備の点検および整備が出来る資格で、第7類、第6類、第5類、第4類、第3類、第2類、第1類があります。

 

乙種は消防用設備の点検と整備に限定されることから、甲種と比較して門戸は広いと言われています。

 

事実、乙種には年齢や学歴、実務経験といった受験資格はありません。実質的に誰でも受験できることから、甲種よりもハードルは低いとされています。

 

このような特徴から、消防設備士の乙種は常に人気の国家資格として知られている一方、取得後に更新をし忘れたり、失効してしまったりする人が多いようです。

 

消防設備士の難易度と合格率

 

消防設備士の難易度は「普通レベル」と言われています。参考までに、同じレベルの国家資格として「ITパスポート試験」や「幼稚園教諭」そして「介護福祉士」などが挙げられます。

 

そして、消防設備士の合格率は甲種が30%程度、乙種は40%程度とされています。基本的には、甲種と乙種いずれにおいても、第5種よりも第1種の方が難しくなると考えてよいでしょう。

 

消防設備士の更新や失効について

 

消防設備士の更新や失効に関することについて解説します。

 

有効期限

 

消防設備士の有効期限については以下のように定められています。
・免状取得後:免状を受けた日以降の4月1日を起点として2年以内
・講習後:最後に受講した講習以降の4月1日を起点として5年以内
例えば、2022年1月1日に消防設備士の免状を交付された場合、2022年4月1日から2年以内、すなわち2024年3月31日までが有効期限となるため、これまでに講習を受講しなければいけません。

 

一方、2022年1月1日に消防設備士の免状を交付され、2024年3月1日に講習を受講した場合、次の有効期限は5年後の2029年2月末となります。

 

つまり、消防設備士の有効期限は「免状交付後は2年以内、それ以降は5年間」と考えてよいでしょう。

 

ちなみに、消防設備点検資格者や防火対象物点検資格者といった資格は、免状交付後の4月1日を起点として有効期限が5年間であるのに対し、消防設備士だけは2年もしくは5年のように統一されていません。

 

参考:消防設備点検資格者等に係る講習の受講期限の改正

 

更新の条件

 

消防設備士の資格を更新する条件は「有効期限内に講習の受講すること」です。各都道府県で毎月1~2回の頻度で実施されている座学式(9時から5時まで)の講習を受け、講習内の効果測定(ミニテスト)を終える必要があります。

 

消防設備士の資格を更新する際に受ける講習には以下が必要です。
・申請書(7日前までに申し込むこと)
・消防設備士免状
・受講料:7,000円(2022年時)
なお、講習は下記表のように4つに区分されており、保有する免状によっては複数の講習を受講しなければいけない場合もあります。

 

講習の区分免状の種類類別
特殊消防用設備等特類
消火設備甲・乙第1類・第2類・第3類
警報設備甲・乙第4類・第7類
避難設備・消火器甲・乙第5類・第6類

 

例えば、乙種の第5類と乙種の4類を保有している場合、受講しなければならない講習は「避難設備・消火器」と「警報設備」の2つです。

 

複数の講習を受ける場合、ひとつ目の講習を受けてから6ヶ月以内であれば、2つ目の講習時に講習科目の一部免除が受けられます。

 

複数の講習を受けなければいけない場合は、講習にかかる負担を少しでも減らすために、講習はなるべく短期間(6ヶ月以内)のうちに済ませることをおすすめします。

 

参考:消防設備士講習受講申請書

 

失効の条件

 

消防設備士の資格は、更新に必要な講習を受けないことや技術基準違反の工事などによる減点制が採用されており、減点が20点を超えると失効、すなわち免状返納命令を受けることになります。

 

有効期限内に講習を受けないと「消防設備士講習受講義務違反」として5点減点されます。さらに、次の1年間でも講習を受けずにいるとさらに5点減点されます。(さらに次の1年でも同様)

 

講習を受けないことで最大15点の減点となりますが、3年でリセットされるため、講習を受けないだけでは失効しません。

 

しかし、資格外または無資格者を利用した点検を実施した場合は6点の減点になるため、講習に3回不参加の状態だと、累計減点が21点になり、免状失効となります。

 

消防設備士の資格は講習に参加しなかっただけで失効する訳ではありません。この制度が俗に言う「ペーパー消防設備士」を生み続けています。

 

ペーパー消防設備士とは資格取得後、いっさい講習を受けない人や点検整備に関与しない人を指します。

 

もし、仕事として日頃から消防用設備の点検や工事に従事しているのであれば、減点数が増えないように講習を受けることは必須です。

 

対照的に、資格として保有するだけで満足というような人は講習を受けなくても、失効したり自主返納を迫られたりすることはありません。

 

失効した場合の影響

 

消防設備士の資格が失効すると免状の返納命令対象となり、いかなる消防用設備の点検、整備、設置、そして交換が出来なくなります。

 

仮に、最新整備の取り扱い方や点検方法を知っていたとしても、失効した状態では無免許となり、6か月以下の懲役または50万円以下の罰金が科せられます。

 

ありがちなのは、消防用設備の点検や工事業務を請け負っている会社の有資格者がうっかり免許を失効させ、企業もそれをチェックしていなかったことが発覚するようなケースです。

 

なお、更新する際に必要な講習を受けないこと自体は罰則の対象にはなりません。

 

救済措置

 

消防設備士の資格を更新する際に、やむを得ない事情で講習が受けられない場合に限って有効期限を1年間延長できる「救済措置」が受けられます。

 

具体的には以下のような事例があります。
・海外駐在
・災害被害
・病気等による入院生活
・登録講習機関がやむを得ないと認める理由
期限内に講習を受けられないようなやむを得ない事情がある場合は、事情を証明できる書類や証拠を元に登録講習機関や所轄の消防署に申告しましょう。

 

消防設備士の免状に関するよくある質問と回答

 

消防設備士に免状に関するよくある質問を紹介します。

 

消防設備士は誰でもなれるの?

 

原則、誰でもなれます。ただし、甲種については実務経験や学歴が問われますので、これらの条件をクリアしていることが最低条件です。

 

何歳まで?年齢制限は?

 

消防設備士に年齢制限はありません。

 

消防設備士の甲と乙の違いは何ですか?

 

甲は交換や設置といった「工事」が出来るのに対し、乙は点検や整備に限定されることが違いです。

 

消防設備士の甲と乙はどちらが難しいのですか?

 

甲の方が難しいとされています。

 

消防設備士の講習を受けないとどうなりますか?

 

5点減点されます。しかし、講習未受講による減点は最大で15点で、失効ラインは20点ですから、実質的には何も起きません。

 

一方、消防用設備の業務に従事している人は実務に影響する可能性が高いため、講習は受けた方が良いでしょう。

 

まとめ

 

消防設備士の更新については、免状を受けた後は2年、一度講習を受けた後は5年の頻度で講習を受けると覚えておくとよいでしょう。

 

更新にあたり、講習を受けずにいても失効することはありませんが、いざという時に役に立てるよう、定期的に講習を受けるようにしてください。

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