消防用設備
2022.03.17
感知器?発信機?自動火災報知設備って何を指すの?
普段利用している施設や学校など、
一定の基準を満たす建物には必ず自動火災報知設備が設置されています。
壁についている赤くて丸い形のした発信機や、
天井についている感知器などはみなさんもよく見かけたことがあるのではないでしょうか?
これ以外にも建物には「地区音響装置」や「受信機」「表示灯」などたくさんの設備が備わっています。
実はこれら全て含めて”自動火災報知設備”と呼ばれているんです!
【目次】
1. 自動火災報知器設備とは
2. 構成機器について
3. 作動の仕組み
4. 非火災報に注意!
1. 自動火災報知器設備とは
自動火災報知設備とは、一定の規模や構造を有している建物に設置が義務付けられている設備で、
「感知器」、「地区音響装置(ベル)」、「発信機」、「受信機」などから構成されており、
ベルの鳴動や受信機の表示によって火災を早期発見、警報を発し、被害を最小限にするために非常に大事な役割をになっている設備です。
(仕組みとしては、感知器が熱や煙を感知し、受信機に火災信号などを送り知らせます。
受信機は警報を発し、火災地区を表示し地区レベルなどを鳴動させ建物内にいる人に火災の発生を知らせています。)
自動火災報知設備の構成機器
引用:日本火災報知器工業会
感知器を用いて火災により発生する熱や煙を自動的に検知し、
受信機、音響装置を鳴動させて建物内に放置することにより、
避難と初期消火活動を促すシステムのことです。
雑居ビルや世界遺産、重要文化財などの防火対象物に設置が義務付けられています。
2. 構成機器について
1.受信機
受信機は基本的に建物の防災センターや管理室などに設置されています。
感知器や発信機からの信号を受信し、火災の発生とその場所を管理者に伝えるとともに、
建物内に設置されたベルを振動させて警報を発して避難と初期消火を促す装置です。
2.発信機
昔、学校などで間違えて押してしまい学校中にサイレンを鳴らしてしまった経験がある方もいらっしゃるのではないでしょうか?
(強く押す、と書いてあったら押したくなりますよね・・・)
こちらは人が火災を発見した場合に、手動で火災信号を発信する装置です。
表示灯の下に付いていることが多いです。
屋内草加線の消火ポンプをきどうするスイッチをかねている場合もあります。
P型1級発信機、P型2級発信機、T型発信機の3種類が存在します。
3.感知器
感知器は火災の熱、煙、炎を検知し、受信機に信号を送る装置です。
火災をすぐに発見するために様々な感知方法がありそれに対応した感知器の種類が存在します。
①熱感知器
火災の熱を検知するもので煙感知器や炎感知器よりも安価です。
というのも熱を感知してから発報するため、ほとんどの場合が火災が起きている可能性が高く、
煙感知器に比べると火災察知は遅いと言えます。
また、この熱感知器には定点式と差動式が存在します。
・「定温式スポット型感知器」〜一定の温度になると発報します。
・「着動式スポット型感知器」〜短時間に温度が変化した場合に発報します
・「着動式分布型感知器」〜短時間の温度の変化を感知します。天井が高く、面積の広い場所によく使用されています。
などといった型がありそれぞれ熱の感知の方法が異なっています。
②煙感知器
火災の煙を感知するもので、主に2つのタイプがあります。
・「光電式スポット型感知器」〜感知器の内部に煙が入ると、発光部から出る光が煙の粒子に当たり乱反射することで受光部が感知します。
・「光電式分離型感知器」〜送光部の感知器と受光部の感知器間に目に見えない光ビームがあり、このビームが煙によって遮られると感知をします。
③一酸化炭素検出型感知器
燃焼に伴って発生する一酸化炭素をセンサーで検出します。
感知器にはそれぞれ一長一短があるので、建物のケースによって使い分けることが必要です。
また、現在では複数の方式を組み合わせた複合型の感知器が開発されています!
4.表示灯
表示灯は発信機や屋内消火栓などの位置を明示するために併設されており、常時点灯している赤色のランプです。
5.地区音響装置
建物内の各所に配置されており、受信機が受信した火災信号を受けて鳴動するベルのことです。建物全体に火災を知らせることができ、避難や初期消火活動を促します。
3. 作動の仕組み
では、上記で説明した機器たちがどのような仕組みで作動していくのか流れを追ってみていきましょう。
①火災発生
②火災感知
火災に気づいた人が発信機を押す、
または施設に設備されている感知器が煙や火などから火災を感知します。
③火災信号
②で感知したものを火災が起きている信号として管理室や建物関係者のいる場所に知らせます。
④受信機へ
受信機が火災信号を受信すると「音響装置」と「地区音響装置」を鳴動させます。
同時に火災表示灯が点灯し、火災が起こっていることを音や光などによって知らせます。
以上のような流れで自動火災報知設備が作動しています。
自動火災報知設備が作動したら私たちはどうしたらいい?
では、実際に管理している施設や建物で、
自動火災報知設備が作動した場合にどういった対応を取るべきかみていきましょう!
①受信機の表示を確認
受信機の点灯している表示を確認し、
「警戒区域一覧図」でどのエリアが該当しているのかを確認します。
②現場確認、119番へ通報
近くの消火器を持って、火災が疑われるエリアへ向かいます。
火災が大きな場合は決して近寄らず、すぐに119番へ連絡し安全を確保しましょう。
また、建物内にいる方への避難誘導も行います。
③もしも火災がなかった場合
受信機でベルを止め、作動した感知器または押された発信機を確認しましょう。
同時に火災ではないことを119番、そして建物内にいる人に知らせます。
4. 非火災報に注意!
最近では火災は起きていないのに自動火災報知設備が作動する「非火災報」が多く起きています。
その原因の多くは、感知器の誤作動によるものやいたずらによる発信機の押下です。
感知器の誤作動に関しては、虫や雨水の侵入や空調による温度変化や台風などで気圧が変わることによっても故障につながるそうです。
火災が起こっていないのに作動してしまった場合には必ず、原因を特定し再発防止に務めるほか、日頃から点検をすることが必要です!
※平成14年8月2日に交付された「消防法施行令の一部を改正する政令」(平成14年政令第274号)の改正に伴い、自動火災報知設備を設置しなければならない防火対象物であっても、防火対象物の位置、構造及び設備の状況等から判断して、火災の発生及び延焼の恐れが著しく少なく、かつ、火災等の災害による被害を最小限度に止めることができると認められものとして、自動火災報知設備を設置しなくてもよいとされる防火対象物もあります。
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