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2021.02.23
飲食業や小売業での中小企業等事業再構築促進補助金の活用法
中小企業等事業再構築促進補助金は、新しい分野への進出や業務の転換、事業や業種の変更などに取り組み、企業や団体の事業再編や規模拡大を支援する制度です。
新型コロナウイルス感染拡大に伴う営業活動の制限により、経営状態が長期間悪化している企業が増えています。
政府は現状を深刻に受け止め、2020年12月15日の臨時閣議で、中小企業等事業再構築促進事業を追加経済対策の一環として採択しました。
この取り組みは、飲食業やサービス業、小売業、製造業など、新しい分野への展開や事業再編を目指す中小企業を対象に、1兆1,485億円の補正予算を割り当てるものです。
今回は事業再構築補助金の申請開始に向けて、申請条件や補助額、また有効な活用方法について説明します。
中小企業や中堅企業の経営者様のなかで、補助金の申請を考えている方はぜひ参考にしてください。
【目次】
1. 事業再構築促進補助金について
2. 中小企業等事業再構築促進補助金の活用法
3. 用途変更や店舗改修はスマテンにご相談ください
1. 事業再構築促進補助金について
ここからは事業再構築促進補助金制度の概要を紹介します。
自社が補助金の受給対象になりえるのか、なりえるとしてどれくらいの補助金を受けられるのか、こちらからご確認いただけます。
事業再構築補助金の概要
事業再構築補助助成金は、中小企業等事業再構築促進事業のひとつです。
ポストコロナやwithコロナ時代の経済社会の変化に対応すべく、事業の再構築に挑戦する中小企業事業者向けに定められた補助金制度です。
再構築の方針はさまざまで業態や業種転換はもちろん、事業の再編または拡大など多様な経営方針の転換にも対応しています。
補助対象は中小企業または中堅企業で、補助金額や補助率は企業の規模によって変わります。
政府はこの事業終了後の3~5年で、付加価値額の年率平均3.0%(一部5.0%以上)の増加、または従業員一人当たり付加価値額の年率平均3.0%(一部5.0%)以上の増加を目指すと発表しました。
申請の条件
経済産業省はホームページで、補助金の申請が可能な対象を公開しています。以下の3つの要件を全て満たす企業や団体は申請できる可能性大です。
①申請前の直近6か月間のうち、3か月の合計売上高が、コロナ以前の同3か月の合計売上高と比較して、10%以上減少している中小企業など
②事業計画を認定経営革新等支援機関や金融機関と策定し、一体となって事業再構築に取り組む中小企業など
③補助事業終了後、3~5年で付加価値額の年率平均3.0%(一部5.0%)以上増加、または従業員一人当たり付加価値額の年率平均3.0%(一部5.0%)以上増加の達成
また、この補助金制度では緊急事態宣言特別枠を設けています。
上記①~③の要件に加えて、緊急事態宣言にともなう飲食店の時短営業や不要不急の外出・移動の自粛によって影響を受けたことで令和3年1~3月のいずれかの月の売上高が対前年または前々年の同月比で30%以上減少した場合は、補助金の支給対象になります。
早期の事業構築が必要な中小企業などに対しては、通常枠の加点措置が予定されています。
補助金の補助率、補助額について
経営する会社が中小企業か中堅企業かによって受けられる補助率や補助金額は変わってきます。ちなみに中小企業と中堅企業は資本金の額によって異なるもので中小企業は1,000万円以上1億円未満、中堅企業は1億円以上10億円未満とされています。
中小企業の範囲については中小企業基本法と同様であるため、一度確認するようにしてください。
それぞれの補助金との差額については下記の通りです。
補助金額 | 補助率 | |
通常枠 | 100~6,000万円 | 2/3 |
卒業枠 | 6,000万円超~1億円 | 2/3 |
卒業枠とは事業計画期間内に①組織再編②新規設備投資③グローバル展開のいずれかにより、
資本金または従業員を増やして中小企業から中堅企業へ成長する事業者向けの特別枠で400社限定です。
補助金額 | 補助率 | |
通常枠 | 100~8,000万円 | 1/2(4,000万円超は1/3) |
グローバルV字回復枠 | 8,000万円超~1億円 | 1/2 |
グローバル V 字回復枠とは
①直前6か月間のうち任意の3か月の合計売上高が、コロナ以前の同3か月の合計売上高と比較して、15%以上減少している中堅企業
②補助事業終了後3~5年で付加価値額または従業員一人当たり付加価値額の年率5.0%以上増加を達成すること
③グローバル展開を果たす事業であること
この3つをすべて満たす中堅企業向けの特別枠で、100社限定とされています。
事業再構築促進補助金はいつから開始される?
2021年2月15日に中小企業庁から公開された「事業再構築補助金の概要」によると、公募開始は2021年3月となる見込みです。
申請はすべて電子申請となるため、「GビズIDプライムアカウント」を事前に取得しておくことをおすすめします。
発行に2~3週間かかる可能性があるためです。
また申請には事業計画書が必要ですが、一般的にこの事業計画の策定には時間がかかるため、早めに着手して申請に向けて準備を整えておきましょう。
認定経営革新等支援機関に相談に行って相談すると、事業計画策定がスムーズに進むかもしれません。
2. 中小企業等事業再構築促進補助金の活用法
ここまで説明したとおり、補助金の申請対象となる業種は飲食業から小売業までさまざまです。
ここからは業種ごとに具体的な補助金の活用方法を紹介します。
飲食業
例えばコロナの影響で売上した居酒屋さんが業態を転換し、店舗での営業を廃止したとします。
代わりにオンライン専用の弁当の宅配事業を新たに開始した場合、店舗縮小に係る建物改修の費用や新規サービスに係る機器導入費、また広告宣伝のための費用に補助金を活用できます。
小売業
レディースのアパレルショップの運営者がコロナの影響で売上が減少し、悩んでいました。
そこで業態変換を決意して店舗を一部縮小し、代わりに同じアパレルショップのネット販売事業やレンタル事業に業態を変換したとします。
この場合も店舗縮小に係る建物改修の費用や、新規オンラインサービスに係るシステム構築の費用などを補助金でまかなうことができます。
サービス業
例えば高齢者向けサービス事業として介護サービスを行っていた施設が、コロナの影響で利用者が減少したとしましょう。
その事業者が新分野への展開を考えて、デイサービス事業を他社に譲渡し、別の企業を買収して、病院向けの給食など、住宅サービス事業を開始しました。
この場合、建物の改修費用はもちろん、サービス提供のための機器導入費や人材の研修費用などに補助金を活用することができます。
製造業での活用例
コロナの影響で需要が減少した航空機部品のメーカーが、新分野の事業展開を考えたとします。
その結果、既存企業の一部について関連設備の廃棄などを行い、医療機器部品製造事業を新規に立ち上げました。
このとき、事業圧縮に係る設置撤去の費用や、製造のための新規設備導入にかかる費用、また新規事業に従事する従業員への教育にかかる研修費用などに補助金を活用することができます。
3. 用途変更や店舗改修はスマテンにご相談ください
事業再構築補助金は補助対象となる中小企業や中堅企業などの範囲が広いため、中小企業・中堅企業の経営者様は、一度資料に目を通して理解しておくことをおすすめします。
ただし、せっかく補助金を受給できても、事業にうまく活用できなければ意味をなしません。
新規事業の展開や開拓を考えている方は、資金を有効に活かせるように事業計画をしっかりと練りましょう。
スマテンでは事業形態の変換にともなう用途の変更や、店舗の改修のご相談を承っております。
お悩みの方はぜひお気軽にご相談ください。
コロナ禍でも事業を成長させられるヒントが見つかるかもしれません。