消防点検コラム

消防法

2019.07.01

防火対象物とは?

こんにちは!日本全国の消防点検・施工を行っております、全国消防点検.comです!

前回は消火の原理について勉強しましたね。今回は具体的な消防設備に関係してくるお話しの「防火対象物と特定防火対象物」について勉強しましょう!
消防設備士の登竜門とも言われている、いわゆる乙6の試験にも関係してきます。

火災になり被害が拡大するおそれのあるもの―防火対象物

防火対象物とは、そのものが燃えると火災になり、被害が拡大するおそれがあるため、火災を発生させないように、法的に規定を課しているものです。一般的には防火対象物とは建築物を指すと考えておけば良いのですが、防火対象物には建築物以外に、山林火災、交通事故による車両火災の恐れがある「舟車」といったものも含まれています。
なお、建築基準法による特殊建築物とされるものと消防法の防火対象物の用途区分は類似していますので、消防法だけでなく、建築基準法にも目を通しておくとベターです。
簡単に言えば、火災が起きると大きな被害が出るであろうモノが防火対象物になります。

消防法による区分―特定防火対象物と非特定防火対象物

消防法では、防火対象物の用途・規模に応じて、消防用設備等の設置義務や消防設備点検の実施義務、防火管理者の選任義務などが規定されています。
また、消防法により、防火対象物は特定防火対象物と非特定防火対象物に区分されています。特定防火対象物とは、特に被害の拡大が懸念される可能性の高い防火対象物であると認識してください。この特定防火対象物については詳しく下で説明していきます。

特に火災に対し注意が必要なもの―特定防火対象物

特に重要な防火対象物を「特定」として区分しているわけですから、特定防火対象物と指定されたものは防火対象物定期点検も受ける必要があるなど、法的な規定・規制も厳しく規定されています。
また、特定防火対象物は、消防用設備等の設置基準が厳しい上に、設置・維持に関する規定など、既存のものでも遡及適用として扱われます。遡及適用とは、新しく規定された法令は過去にさかのぼって適用しないという、不遡及の原則を適用しない重要な事項に対して適用する特別な扱いを表します。つまり、特定防火対象物は常に現行の規定に基づいて消防用設備等を設置し、維持しなければならないということになっています。
特定防火対象物は、映画館、集会場、キャバレー、百貨店、ホテル、病院、老人福祉施設、地下街、準地下街(建築物の地階で連続して地下道に面して設けられたものと当該地下道とを合わせたもの)、複合用途防火対象物のほか、性風俗関連特殊営業を営む店舗などが該当します。平成13年に起こった新宿歌舞伎町のビル火災は記憶に残る惨事でしたが、こちらの事件がきっかけで性風俗業の店舗も該当するように規定が厳しくなりました。
特定防火対象物とは簡単に言えば、「不特定多数の人が出入りする建築物」であり、建築基準法にいう特殊建築物とそのほとんどが重なっています。しかし、建築基準法では特殊建築物となる小学校、中学校、高等学校、大学などの学校は、消防法の場合は利用者が特定できるということで、非特定防火対象物となっています。また、図書館、博物館、美術館も不特定多数の人が利用しますが非特定防火対象物となっています。
これらの学校・図書館・美術館などは消防設備士の試験でも頻出の問題になっているのでしっかり押さえておく必要があります。

今回のお話をまとめると、大規模な火災を防ぐために防火対象物というものが定められた建物・総務省令で定める舟車があります。またこの防火対象物は、特定防火対象物と非特定防火対象物の二つに分かれており、特定防火対象物はより厳しい基準で消防設備の維持などが行われています。
特定防火対象物とは不特定多数の人が利用する建築物であり、例外として学校や図書館はこれに含まれない、ということになります。
法律に関係するお話なので表現が難しいものが多いですが、消防設備を語るうえでの基本になってきますのでしっかり頭に入れておきましょう!

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