消防点検コラム

消防用設備

2022.02.28

誰でも使っていいの?屋外消火栓設備について解説!

普段生活をしていて屋外消火栓設備を見かけたことはありますか?

こういったものは消防の人や専門の人が使用するから、
自分達は使用するどころか触ってはいけないと思っている人も多いのではないでしょうか。

実は屋外消火栓設備は”誰でも”使用することが可能なんです!

今回は、屋外消火栓やその使用方法について詳しく紹介していきたいと思います。

屋外消火栓設備の種類

屋内消火栓設備と言われてパッと想像するのはよく道路脇などにある赤い消火栓を一般的に思い浮かべる人が多いのではないかと思います。実際には屋外消火栓は4種類存在します。

1. 器具格納式消火栓


引用元:株式会社横井製作所

中にホース、ノズル、開閉弁が一緒に格納されていて、ホースとノズルを取り外して広げればすぐに使用することができます。

2. 地下式消火栓

その名の通り、地下に埋め込まれている消火栓のことを指します。
地面に消火栓と書いてある蓋があり、その下に消火栓が設置されています。
この地下式消火栓の歩行距離5m以内にホース格納庫があり、災害時にはホースを繋げて消火活動を行います。

3.  地上式消火栓

「消火栓」と言われてがよく思い浮かべるであろう、赤いポールのようなものです。

実はこの地上式消火栓は1969年に廃止され、現在では地下式消火栓が主流となっています。
ただ、積雪の多い地域では雪に埋もれてしまうため、現在でも地上式消火栓が設置されています。


雪に埋もれる消火栓

ちなみに、北海道の消火栓は「黄色」が主流なんだそうです。
地域によって違いがあるのは面白いですね!

4.ホース格納庫

消火栓の近くに赤い箱が設置してあり、中には筒先、消火栓開閉器、ホース2本が格納されています。

地上式及び地下式には、ホースを接続する口が一個のもの(単口型)のものと2個のもの
(双口型)のものがあります。

屋外消火栓設備は建物の周囲に設置され、建物の1階及び2階で火災が発生した場合に火災の二次被害を防ぐために使用するものです。2階以上の階層になると、屋外消火栓では防護ができなくなり、屋内消火栓が必要になります!

設備の概要

屋外消火栓設備のどのようなもので構成されているか説明していきます。

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引用元:株式会社横井製作所

①水源(貯水槽など)

②加圧送水装置(消火ポンプとモーター)

③機動装置(発信機など)

④配管・弁類

⑤屋外消火栓

⑥非常電源

⑦ホース

⑧ノズル及び放水用器具を格納する箱等

主に以上の8個のアイテムから構成されています。

設置する上でのルール

普段あらゆるところで目にする屋外消火栓設備ですが、適当に設置をされているわけではなく、もちろん設置する上での多くの規定が存在しています。

①屋外消火栓の設置基準

 (1)ホース接続口までが40m以下となるように設けること。

 (2)屋外消火栓設備の消防用ホースの長さは、当該屋外消火栓設備のホース接続口から水平距離が40㎡の範囲内の当該建築物の各部分に有効に放水することができる長さとすること。

 (3)水源は、その水量が屋外消火栓の設置個数に7㎡を乗じて得た量以上の量となるように設けること

 (4)屋外消火栓設備は、全ての屋外消火栓を同時に使用した場合に、それぞれノズルの先端において、放水圧力が0.25MPa以上で、かつ、放水量が350L毎分以上の性能のものとすること

 (5)屋外消火栓の放水用具を格納する箱は、避難の際通路となる場所等屋外消火栓設備の操作が著しく阻害される恐れのある箇所にもうけないこと

 (6)屋外消火栓設備には、非常電源を附置すること

②設置する建物について

二階建てまでの建物床面積の合計が3,000㎡以上の物について設置をすることになっています。
(耐火建築物にあっては9,000㎡以上、準耐火建築物にあっては6,000㎡以上)

広さが分かりにくいと思いますが、一つ身近なもののたとえを出すと7,000㎡はサッカーコートの大きさに及びます。

③表示の仕方

(1)消火栓の標識
縦100mm以上、横300mm以上の大きさで赤字に白文字で記載をすること。

(2)消火栓の位置を明示する赤色の灯火
・消火栓の直近または消火栓箱の上部に設けること
・赤色の灯火の有効投影面積は、直径60mm以上またはこれに相当する面積以上とし、
かつ、側面の面積は、前面投影面積の4分の1以上の有効投影面積を有するものとすること。
また平面型(薄型)またはリング型の赤色の灯火についても使用できるものとする。

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屋内消火栓との違い

屋内消火栓と屋外消火栓の違いについてまとめてみました

屋外消火栓屋内消火栓
防護できる水平距離40m25m
防護できる階防火対象物の1階と2階消火栓箱が設置している階
ノズル(筒先)の大きさ19mm以上13mm以上(1号消火栓の場合)
ホースの大きさ65A(内径41.6mm)×20mを2本使用40A(内径41.6mm)×15mを2本使用
放水量の違い約471L/分約220L/分

このように屋内と屋外消火栓では違いがあることが分かります!

屋外消火栓設備の使い方

消火栓水源

 実は屋外消火栓設備は使うために資格などは必要ありません!つまり火災が起きた際にはわたしたちでも使用し消火活動を行うことができます。

しかし、使用にあたってはしっかりとした知識や人員が必要となります。消火栓の種類ごとに使い方について確認していきましょう!

<地上式消火栓>

1.発信機のボタンを押す。

(ポンプが始動し、表示灯が点滅・ベルが鳴る)

2.消火栓にホース・ノズルを取り付け放水体勢を取る。

3.開閉弁を反時計回りに開き放水する。

<地下式消火栓>

1.発信機ボタンを押す。

(ポンプが始動し、表示灯が点滅・ベルが鳴る)

2.地下式消火栓箱の蓋を開け、ホース格納箱よりスタンドパイプ、ホース・ノズルを取り出しホース接続口に取り付け放水体勢をとる。

3.開閉弁を反時計回りに開き放水する

<消火ポンプユニット>

1.発信機のボタンを押す

(ポンプが始動し、表示灯が点滅・ベルが鳴る)

2.ノズルを持ちホースを伸ばし、放水体勢をとる

3.開閉弁を反時計回り開き放水する

使用する上での注意点!!

①必ず二人以上で行う

②ノズルを決して手から離してはならない。

③人に向けて放水しない

(やむを得ず人に水をかける場合は天井や壁に反射させてから注水する)

④同時に使用できる消火栓は2個程度なので、多数の消火栓が開くと水圧が著しく低下し消火活動に重大な支障をきたすことがあるため注意する。

⑤消火のために人命を犠牲にしてはならない

特に屋内などの火災では濃煙や熱気などによりその場に留まることが危険なため、避難を最優先する。

火災が発生した際には「初期消火」が行われるかどうかで被害の大きさに大きく影響します。
消防署の到着よりも先に、地域の方や火災現場の近くにいた方が消火活動を行い鎮火した例も多数あります。

近年では地震や津波など、自然災害も多く起きており、
それによる二次災害として火災なども多く発生しています。

広範囲で火災が起きた場合に消防署だけでは全てに対応することは難しいかもしれません。
そんな時こそ、周辺に住んでいる方の初期消火が大事となってきます。

自分の住んでいる地域のどこに消火栓やホースの格納庫があるかなど
普段から気にして過ごしてみると、有事の際に慌てずに済むかもしれません・・・!

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