消防点検コラム

消防用設備

2020.12.14

排煙設備の必要性。設置基準や点検について

排煙設備とは

排煙設備は火災の際に発生する煙を防火戸、シャッターなどを連動させる事で屋外に出し、円滑な消防活動をを支援するために設置する設備のことです。排煙機、起動装置、電源、風道などから構成されます。

また、火災時に発生した煙を屋外に排出することで、避難時間を確保することもできます。
排煙設備を設置することにより一酸化炭素中毒を防ぎ、煙による視界不良で非常口を見失うリスクを避けることができます。

排煙設備の種類

排煙設備は大きく分けて2種類あります。

自然排煙設備

自然排煙設備は、室内の天井付近に設けた窓などの開口部によって、煙を排出する方式の排煙設備です。
煙が自然に上へ昇る性質を利用しており、防煙区画部分の床面積の50分の1以上の有効排煙開口面積が必要です。

機械排煙設備

機械排煙設備は、排煙機器をつかって屋外に煙を排出する方式の排煙設備です。ダクトを通して煙を外に出します。

排煙設備設置の基準

万が一火災が起きた際には私たちの命に大きく関わる重要な排煙設備ですが、実は建築基準法と消防法とで排煙設備設置の基準が異なります。

ここでは、排煙設備が必要になる建物を建築基準法と消防法に分けてご紹介します。

全国消防点検.comでは排煙設備を含む消防設備点検を点検から行政への報告まで、国家資格を有するスタッフが責任を持って実施・代行しています。また、排煙設備の設置も承っておりますので、排煙設備の設置・点検は全国消防点検.comまでお気軽にお問い合わせください。

建築基準法による排煙設備設計対象建築物

建築基準法による排煙設備設置対象建築物は下に当てはまる建築物です。

1.特殊建築物(建築基準法:別表第1(一)~(四))で延べ面積が500㎡を超えるもの。

(一)劇場、映画館、集会場など

(二)病院、診療所(患者の収容施設があるもの)、ホテル、共同住宅、寄宿舎、児童福祉施設など

(三)学校、体育館、図書館、スポーツ練習場など

(四)百貨店、展示場、バー、飲食店、店舗など

2.階数が 3 以上で、延べ面積が500㎡を超える建築物
3.排煙上有効な開口部面積の合計が、床面積の1/50以下である居室
4.延べ面積が1,000㎡ を超える建築物の床面積が200㎡を超える居室

このような建築物が建築基準法による排煙設備設置対象の建築物です。
すべての項目において、学校は体育館は対象外となっています。

また、ここに当てはまる建築物でもすべての部屋で排煙設備を設置しているわけではなく、建築基準法による「排煙設備の緩和規定」を活用して免除をしている場合があります。
こちらについては後ほどお伝えします!

消防法による排煙設備設置対象物

劇場、映画館、演芸場、観覧場、公会堂、集会場

防火対象物の舞台部で床面積 500㎡ 以上のものです。

地下街

延べ面積1000㎡以上のものです。

キャバレー、カフェー、ナイトクラブ、遊技場、ダンスホー ルの類、百貨店、マーケット、大型店舗、展示場、車庫、 駐車場、格納庫等。車両の停車場、航空機の発着所等の 待合室。

こちらは地階または無窓階で床面積1000㎡以上のものが対象になります。

排煙設備が免除可能な場合

さきほど少しお伝えしましたが、排煙設備が免除可能な場合があります。

ここでは、排煙設備が免除される場合の詳細についてご紹介します。

建設物全体の免除が可能な場合

条件なしで建物全体が免除されるものは下記の通りです。

  • 学校、体育館、ボウリング場スキー場、水泳場、スポーツの練習場など
  • 機械製作工場・不燃物の物品保管倉庫などで、主要構造部が不燃材料で 造られたものなど

下記のすべての条件を満たす住宅・長屋の住戸も免除となります。

  • 階数が 2 以下
  • 床面積が200㎡以内
  • 換気有効面積≧居室床面積✕1 /20

不燃性ガス消火設備または、粉末消火設備を設置している下記の建築物も免除されます。

  • 自動車車庫
  • 危険物の貯蔵場
  • 危険物処理場
  • 通信機械室
  • 繊維工場

建設物の一部が免除可能な場合

こちらは少し複雑になりますので、表でご紹介します。

対象となる建築物の部分区画面積免除されるための条件
病院

診療所(患者の収容施設があるもの)

ホテル

共同住宅

寄宿舎

児童福祉施設

100㎡以内準耐火構造の床・壁、防火設備で区画
共同住宅の住戸200㎡以内準耐火構造の床・壁、防火設備で区画
階段

昇降機(EV)の昇降路

防煙垂れ壁で区画
局部的な洗面所、便所

ダクトシャフト

下の建築物の避難階または直上階

・特殊建築物以外の用途

・児童福祉施設等(就寝利用するものを除く)

・博物館

・美術館

・図書館

各居室に道へ避難することができる
出口が設けられていること
(居室の避難距離は面積の平方根程度)
高さ31m以下にある「室」
(特殊建築物で地階にある室は除く)
下の基準を満たした室

・内装仕上げ:準不燃材料

・主要な出入口に防火設備を設置

高さ31m以下にある「室」
(特殊建築物で地階にある室は除く)
100㎡以内防煙区画
高さ31m以下にある「居室」
(特殊建築物で地階にある室は除く)
下の基準を満たした居室

・準耐火構造の床・壁、防火設備で区画

・内装仕上げ:準不燃材料

高さ31m以下にある「居室」
(特殊建築物で地階にある室は除く)
100㎡以内内装下地・仕上げ:不燃材料
高さ31mを超える「室・居室」100㎡以内下の基準を満たした居室

・耐火構造の床・壁、防火設備で区画

・内装仕上げ:準不燃材料

排煙設備の設置・点検をするなら全国消防点検.comまで

今回は排煙設備についてご紹介しました!

排煙設備の設置は免除条件などもあり複雑な場合も多く、わかりにくいですよね。

全国消防点検.comでは排煙設備を含む消防設備点検の点検から行政への報告まで、国家資格を有するスタッフが責任を持って実施・代行しています。

また、排煙設備の設置も承っておりますので、排煙設備の設置・点検は全国消防点検.comまでお気軽にお問い合わせください。

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