消防用設備
2020.11.04
スプリンクラー設置にかかる費用は?
【目次】
1. そもそもスプリンクラーとは?
2. 後付けが可能なスプリンクラーについて
3. スプリンクラーの設置費用
1. そもそもスプリンクラーとは?
スプリンクラーは火災発生時に天井に設置されたスプリンクラーヘッドから自動的に水を撒き、火災を初期消火するための装置です。
熱や煙を感知すると自動的に起動するため、無人の場所でも効率的に消火でき安全性が非常に高いことが特徴です。
このスプリンクラーは建物の新築時に取り付けることもできますし、リフォームなどで移設、増設(後付け)することもできます。
ただし移設や増設の場合は料金が割増になり、新設するよりも高い料金が必要なので注意しましょう。
消防法では、ある一定規模以上の建築物では設置が義務付けられているため、
建物を増築したときは消防法で指定された建物に該当しないか注意する必要があります。
2. 後付けが可能なスプリンクラーについて
後付けできるスプリンクラーについては以下をチェックしてください。
・閉鎖型湿式(スプリンクラーヘッドの感熱部が熱で溶けることで起動)
・閉鎖型乾式(スプリンクラーヘッドの感熱部が溶け、空気を放出した後で起動)
・閉鎖型予作動式(火災報知器と連動して送水され感熱部が溶けることで起動)
・開放型(火災報知器と連動、または手動で起動)
いくつか種類がありますが、一般的なビルなどの建物では閉鎖型湿式、
水道管が凍る恐れのある工場や倉庫では閉鎖型乾式、
コンピューター室など精密機器の多い部屋や美術品、資料室などできるだけ最小限の水で初期消火したい場所には閉鎖型予作動式と、
部屋によって最適なスプリンクラーを選ばなければなりません。
3. スプリンクラーの設置費用
介護施設(グループホーム)の設置費用
平成25年2月に発生した高齢者グループホームの火災をきっかけに、平成26年4月には「規模の大小を問わず」グループホームにはスプリンクラー設置が義務づけられています。
グループホームにスプリンクラーを設置した場合、いったいどれだけの費用がかかるのでしょうか?
(※一般的な相場になります。)
例)延べ面積約150平方メートルのグループホーム
・水道直結式スプリンクラーで約210万円
・敷地にタンクを設置するポンプ設置式スプリンクラーでは490万円
既存のグループホームにスプリンクラーを設置する場合
例)延べ面積約150平方メートルのグループホーム
・スプリンクラーヘッド20個で施工費約270万円(水道直結式・配管費や関係省庁への書類作成も含む)
(もしポンプ設置式スプリンクラーを設置するとなると500万円以上の費用がかかります。
国からの補助金を使っても施設側の負担金は約80万円以上発生する可能性があり、入居者への費用負担は避けられません。)
住宅用スプリンクラーの設置費用
住宅でも窓のない部屋や地下室にはスプリンクラーの設置が義務づけられています。
一般住宅であっても地下室や無窓階があればスプリンクラーを設置しないと消防法違反になります。
また、住宅を将来高齢者住宅にしようと考えているなら、新築時からスプリンクラーを設置するのが無難です。
住宅用スプリンクラーは「水道直結式住宅スプリンクラー」を使用することで安価に設置できますので、この方式でお願いすることをおすすめします。
例)延べ面積約150平方メートルの木造一般住宅
・スプリンクラーヘッド4個設置 工事費用約50万円
パッケージ型スプリンクラーの設置費用
パッケージ型消火設備は一般的なスプリンクラーとは違い少量の水と薬剤で消火できるのが大きな特徴です。
水を大量に放射することによるリスクが少なく、安全な消火設備と評価されています。
このパッケージ型スプリンクラーは消火剤と水を設置する消火設備本体を設置し、天井裏などから配線を引きスプリンクラーヘッドを取り付けます。
例)地下1階、地上2階建ての医療機関
・施工費約200万円
水道直結式スプリンクラーと施工費はあまり変わらない印象ですが、消火設備本体を設置するためにそれなりのスペースが必要なので、
敷地ギリギリに建つ施設では施工しにくいかもしれません。
スプリンクラーのヘッド交換にかかる費用
スプリンクラーヘッドは長時間設置することにより水漏れが発生することがあります。
また、外部からの力で破損することも考えられます。この場合はスプリンクラーヘッドを交換しなければなりません。
スプリンクラーヘッド1ヶ所取替の相場は約10~20万円であり、
「ヘッドを替えるだけなのにそんなにかかるの?」と疑問に思うかもしれません。
確かにスプリンクラーヘッドの価格は約5,000円前後ですが、スプリンターヘッドには常に水圧がかかっており、修理のためには水を止めて配管内部の水をすべて抜く必要があります。
天井に点検口がない場合は照明器具を取り外すなどして工事をしなければならず、意外にも手間がかかるのです。もちろんケースバイケースですので、実際に取替を希望される方は見積もりをとってみましょう。
スプリンクラーを修理した場合にかかる費用
スプリンクラーのヘッドが破損した、配管からの水漏れ、消火設備本体の破損などスプリンクラーを設置した後も修理が必要になることがあります。
スプリンクラーヘッド取替の例でもわかるかと思いますが、修理費用はケースバイケースで建物の構造や点検口の有無、配線の状況により費用が上下するのが一般的です。
もし、スプリンクラーの修理が必要であれば、お近くの消防設備施工会社までお見積もりを取るようにしましょう。
スプリンクラーの設置や費用に関するご相談は全国消防点検.comへ
スプリンクラーの設置や修理、点検は、国家資格をもつ専門職員がおこなう必要があり、消防署などに作成する書類も同様です。
スプリンクラーの設置をお考えの方はぜひ全国消防点検.comへご連絡ください。
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