COLUMN
2020.08.29
意外と知らない?防火シャッターの仕組みと費用
9月1日は何の日かご存知ですか?
答えは「防災の日」!
防災の日は、1923年9月1日に発生した関東大震災にちなみ、
災害への備えを怠らないようにとの戒めをこめ、制定されました。
以前は慰霊祭等が行われていましたが、
現在は防災訓練、避難訓練を行う日となっています。
学校等だけではなく、ショッピングセンター等でも防災訓練が実施されています。
消防法による消防点検だけではなく、スタッフの方の日々の防災訓練によって、
私たちの安心、安全が守られているんですね。
今回は防火、防災の要とも言える【防火シャッター】について解説していきます。
【目次】
1. 防火シャッターってなに?
2. 防火シャッターの設置基準と設置費用
3. 防火シャッターの点検必須!油断してしまうと・・・
1. 防火シャッターってなに?
防火シャッターとは、その名の通り「防火機能を備えたシャッター」のこと。
ショッピングセンター等、大きな建物の耐火構造の壁や扉で囲われた「防火区画」や、
エスカレーターや階段、エスカレーター等、延焼しやすい他の階につながった場所に設置されています。
防火シャッターの仕組みはこうなってる!
煙探知器が火事を察知すると自動的にシャッターがおり、(手動でボタンを押すものもあります)
火災が発生した際に、炎が色々なところへ燃え移ってしまう延焼を避けるため、
防火シャッターを閉めて炎を閉じ込め、外へ避難する時間をかせいでくれます。
また、火災時に停電が発生してもきちんと閉まるように、
電気やモーターではなく、シャッター自体の重さで下がるようになっています。
危害防止装置って?
危害防止装置とは、シャッターが降りる先に障害物(挟まってしまいそうな物や人)がある場合、
自動的に停止して、障害物がなくなったら再開するという機能です。
2004年6月、防火シャッターに小学校2年生の男の子がシャッターに首をはさまれる事故が発生しました。
これを受け、防火シャッター等の防火設備により、人が挟まれるなどの重大な危害を防止するため、
翌年12月1日より閉鎖作動時の危害防止機構等の設置が義務化。
ショッピングセンターの閉店直前など、
スタッフがシャッターの下をお客様が通らないよう
誘導しているのを見た事がある方も多いかと思います。
事故防止はもちろん、この危害防止装置が発動しないようにという意味合いがあるんですね。
万が一、火災時に防火シャッターの内側に閉じ込められてしまった場合、
防火シャッターの近くに非常扉があるケースが多いので、そこから脱出します。
扉が歪んで開きづらい場合でも、押せば開くようになっているので、
開きづらいときは蹴って突破し、避難をしてください。
2. 防火シャッターの設置基準と設置費用
うちの建物には防火シャッターは必要?
防火シャッターの設置は建築基準法で定められており、
防火シャッターなどの防火設備が必要な建物は、その地域と広さによって規定され、
「防火地域」と「準防火地域」に分けられます。
詳細は都市計画法第9条で定められているとおりなのですが、
街の中心部や商業地域が防火地域。
その周りを準防火地域としているケースが多いです。
・防火地域か準防火地域か
・建物の階数はいくつか
・延べ面積はいくつか
この3つを軸に判断をしていくのですが、
細かく分類されるため、詳細は全国消防点検.comへお問い合わせください。
設置費用や耐用年数は?
防火シャッターの設置は、1箇所あたり約12万円~が目安となります。
耐用年数は一般的な重量シャッターの設計耐用年数を15年相当としていて、
耐用回数(開閉の階数)を10,000回としているので、
1日あたり約2回(開店/閉店)で15年という計算ですね。
また、国税庁の定めている税務上の考え方としては、
消火・排煙・災害報知設備及び格納式避難設備にあたるとして、
法定耐用年数が8年と定められています。
※製造メーカーにより若干異なるため、あくまで一般的な耐用年数です。
もちろん、耐用年数に関わらず、
設置後1年でも2年でも、「きちんと機能をするか」の点検が必要です。
防火シャッターは万が一のときに、延焼を防ぎ、私たちの命を守るもの。
いざという時に「動きませんでした」では意味がありません。
また、きちんと点検・メンテナンスを行うことで、
防火シャッターが寿命を迎えるその日まで、
安心・安全に使用することが出来ます。
全国消防点検.comにも日々、防火シャッターの点検についてご相談が寄せられます。
中には、「使ってないから壊れてない」とおっしゃるオーナー様もいらっしゃいます。
ですが、点検をせずにほったらかしにしておいて、
早いサイクルで新しいものに取り替えるよりも、
しっかり維持・点検をしていくのが最大限コストを抑えられますし、
何かがあった時の被害や人命が奪われる可能性を考えると、
定期的な点検は必要不可欠なんです。
3. 防火シャッターの点検必須!油断してしまうと・・・
2016年に消防法が改正され、防火設備や消防設備の定期的な点検が義務となったのをご存知ですか?
もちろん、防火シャッターも例外ではありません。
この背景には2013年の月に福岡で発生した大規模な火災事故があります。
建物は全焼、死者10人を出す大惨事となってしまいました。
この事故がこれほどまでに被害を拡大してしまった要因が、
建物に設置された防火設備がきちんと作動しなかった事です。
・防火扉が煙を感知するタイプでなく、旧式の温度で感知するものが設置したままだった
・吹き抜け部分に設置されるはずの防火設備が未設置、防火区画が形成できていなかった
・窓のない部屋に排煙設備がなかった
・非常灯が設置されていなかった
という建築基準法に違反した建物であり、
このひとつひとつの違反が多くの犠牲者を出してしまったのです。
この法改正で、防火設備や消防設備の点検が必須となりました。
消防に関する点検は全国消防点検.com
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全国消防点検.comでは、点検のご相談を承っております。
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