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2022.10.26
火災報知器にカバーを付けなくても良い場合
害虫駆除のためにバルサンやアースレッドといった殺虫剤(害虫駆除剤)を使用する人は多いと思います。
これらの殺虫剤は煙や霧状の物が主流であるため、火災報知器が反応してしまうという噂があります。実際のところはどうなのでしょうか?
この記事ではバルサンやアースレッドなどの殺虫剤を使用する際に、火災報知器にカバーを付けた方が良いのか、さらには火災報知器にカバーを付ける際の注意点などについて解説します。
【目次】
1. バルサンやアースレッド使用時は火災報知器にカバーを装着しよう
2. 火災報知器にカバーを付けなくても良い場合
3. バルサンやアースレッドなどの殺虫剤を使用する際の注意点
4. まとめ
1. バルサンやアースレッド使用時は火災報知器にカバーを装着しよう
バルサンやアースレッドといった煙または霧状の殺虫剤(防虫剤)を使用する際には、火災報知器に付属の専用カバーを取り付けることが推奨されています。
言い換えれば「バルサンやアースレッド等で火災報知器が反応する可能性がある」という訳です。
事実、バルサンの販売元の中外製薬は製品紹介の中で「火災報知器が作動しないようにするカバーが付属しています。」と紹介しており、使用時は火災報知器にカバーを付けることを前提にしています。
また、アースレッドの販売元であるアース製薬はよくある質問の中で「(火災報知器が)反応し作動する」としたうえで、製品に同梱されている専用のカバーを装着する必要があると回答しています。
つまり、バルサンやアースレッドに代表される煙状または霧状の殺虫剤を使用する際には、火災報知器にカバーを付けなければいけないということです。
メーカーの対応
煙や霧状の殺虫剤を販売しているメーカーは、原則として火災報知器にカバーを付けることを推奨しています。
主な理由は「火災報知器の誤作動を防ぐこと」ですが、他にも「薬剤が付着することで火災報知器が故障するのを防ぐ」意味もあります。
また、ユーザーが火災報知器の誤作動を懸念するあまり殺虫剤を買い控えることも考慮し、近年では火災報知器に検知されにくいノンスモークタイプやノンスモーク霧タイプなども販売しています。
火災報知器にカバーを取り付けられない人や誤作動が心配な人は、火災報知器にカバーを付ける必要がないタイプの殺虫剤があることを覚えておくと良いでしょう。
火災報知器のタイプ
ひと言で火災報知器と言っても「熱式の火災報知器」と「煙式の火災報知器」の2タイプがあります。
それぞれの違いや設置場所を知っておくと便利です。
熱式の火災報知器
「熱式の火災報知器」は、火災発生時に一定の温度を感知した場合に作動します。(温度差で作動するタイプもある)バルサンやアースレッドなどに対しては、急激な温度上昇や温度差が生じないため反応しません。
熱式の火災報知器は主に台所に設置されます。この理由は、台所では調理時の出火で急激な温度上昇や温度差が生じやすいためです。
対照的に、台所で煙式の火災報知器を設置すると、湯気や調理時の煙が原因で誤作動を起こす可能性があります。
煙式の火災報知器
「煙式の火災報知器」は、火災発生時の煙を感知して作動します。バルサンやアースレッドなどから上がる白煙に反応する可能性があります。
また、住宅用火災警報器の定番であるため、リビングルームや和室、押入れなど多くの場所に設置されます。
煙式の火災報知器は、バルサンやアースレッドなどの煙式殺虫剤だけでなく、タバコの煙にも反応すると思われがちですが、これらによる煙は火災報知器を作動させるほどの量に達しないため、実際には作動しないことがほとんどです。
ただし、煙の量によっては反応する可能性があることを認識しておいた方が良いでしょう。
殺虫剤のタイプ
バルサンやアースレッドのような殺虫剤を使用する場合、殺虫剤のタイプを知っておくと便利です。
殺虫剤は「燻煙剤(くんえんざい)」と「燻蒸剤(くんじょうざい)」の2つのタイプがあります。
大きく異なる点が薬剤の揮散方法で、ごく簡単に言えば「煙か霧の違い」です。いずれも白煙が上がるため、煙式の火災報知器が反応します。一方で、熱式の火災報知器には反応しません。
殺虫剤として使用される燻煙剤と燻蒸剤の主な有効成分は、ピレスロイドやオキサジアゾール系薬剤などで、中身はほとんど同じです。
殺虫剤に含まれる有効成分そのものが火災報知器を作動させることはありません。
2. 火災報知器にカバーを付けなくても良い場合
バルサンやアースレッドなどを使用する際、火災報知器にカバーを付けなくても良い場合もあります。
熱式の火災報知器の場合
先述したように、熱式の火災報知器はバルサンやアースレッドといった殺虫剤の煙には反応しません。
従って、熱式の火災報知器しか設置されていないのであれば、火災報知器にカバーを付けずに、バルサンやアースレッドなどの殺虫剤を使用しても問題ないでしょう。
ただし、熱式の火災報知器も煙式の火災報知器も、素人目には区別がつきにくいため、安全のため製品に同梱されているカバーを取り付けることをおすすめします。
ノンスモーク霧タイプの場合
ノンスモーク霧タイプのバルサンやアースレッドを使用する場合も火災報知器にカバーを付ける必要はないでしょう。
ノンスモーク霧タイプの製品は火災報知器に感知されないよう霧状に薬品を揮散するため、基本的には熱式および煙式の火災報知器は反応しません。
多くの場合、製品説明欄に「火災報知器にカバーを付ける必要なし」と記載されています。
霧タイプの場合
霧タイプの殺虫剤を使用する場合も火災報知器にカバーを付ける必要はないでしょう。
熱式の火災報知器と煙式の火災報知器いずれも、霧状に揮散される薬剤に反応する仕組みではないため、カバーを取り付けなくても問題ありません。
ただし、火災報知器の故障を防ぐ意味でカバーを付けることは有効です。また、霧状に噴射される薬剤が火災報知器に直接かからないようにしましょう。
ノンスモーク霧タイプ同様で「火災報知器にカバーを付ける必要なし」といった説明が書かれています。
3. バルサンやアースレッドなどの殺虫剤を使用する際の注意点
火災報知器が設置してある場所で、煙や霧状の殺虫剤を使用する場合の注意点について解説します。
火災報知器にカバーを付ける
バルサンやアースレッドなどの殺虫剤を使用する際には、火災報知器にカバーを付けましょう。
製品には火災報知器用の専用カバーが同梱されているため、火災報知器を隙間なく覆うようにしてカバー出来ます。専用カバーは密封出来るように紐で絞れる仕組みになっています。
対象となる部屋が広い場合や、カバーすべき火災報知器の数が多い場合、付属の専用カバーだけでは足りないことがあります。
その場合は、市販のポリ袋などを火災報知器に被せたうえで、養生テープを使って周りを押さえることで代用できます。一般的なテープだと天井の塗装が剥がれる恐れがあるので注意しましょう。
ちなみに、火災報知器を覆う専用カバーはダイソーなどの100均には売っていません。どこに売っている?と探すよりも、ビニール袋やラップなどで代用する方が早くて確実です。
ガス警報器もカバーする
バルサンなどの殺虫剤を使用する際、火災報知器だけでなくガス警報器にもカバーをつけましょう。
とくにノンスモーク霧タイプを使用する場合は注意しなければいけません。なぜなら、ノンスモーク霧タイプはガス警報器に感知される可能性があるためです。(火災報知器には検知されない)
ガス警報器にカバーを取り付けられない場合は、ガス警報器の電源プラグを一時的に抜くことで誤作動を防止出来ます。(支障がないかどうか必ず事前に説明書を確認してください)
6畳以下の部屋では使用しない
6畳以下の部屋では煙や霧状の殺虫剤は使用出来ません。仮に、火災報知器にカバーを付けたとしても誤作動を招く恐れがあります。
バルサンやアースレッドなどの殺虫剤は「6畳以上」の部屋でしか使用出来ない設計になっています。
もし、6畳以下の部屋で使用した場合、煙や霧が過度に充満してしまい、火災報知器が作動する可能性があります。
火災報知器にカバーをすれば大丈夫と思っていても、そもそも「6畳以下では使用してはいけない」ことを忘れてはいけません。
火の元をチェック
バルサンやアースレッドといった煙が出る殺虫剤を使用する際には、火の元のチェックを忘れないでください。
具体的には、ガスの元栓を閉めることや、ガス湯沸し器、ヒーター、ストーブ等の電源も落とすようにしましょう。
火災報知器にカバーを付けた状態(緊急時に機能しない状態)で、2~3時間も家を留守にすることになる訳ですから、火災が起きないように徹底した準備を心がけください。
必ず元の状態に戻す
殺虫剤を使用した後は、火災報知器やガス警報器に取り付けたカバーを取り外しましょう。
なかでも気を付けてほしい場所として挙げられるのが「押し入れ」や「台所」といった、目につきにくい場所です。
カバーを取り付けたままにしていると、万が一の火災時に火災報知器が作動しないことや、故障の原因になります。くれぐれも「うっかり忘れ」に注意しましょう。
4. まとめ
バルサンやアースレッドといった煙または霧状の殺虫剤を使用する場合、火災報知器にカバーを付けましょう。
使用する殺虫剤のタイプや設置されている火災報知器によってはカバー付けなくてもいい場合もありますが、素人には判断が難しいことや誤作動を防ぐ、そして薬剤が付着して故障することを防ぐ意味でも火災報知器にはカバーすることをおすすめします。
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