消防点検コラム

消防用設備

2021.02.23

徹底解説!不活性ガス消火設備の設置基準/仕組み

美術館や博物館などで火災が発生した場合、
中にあるものを保護するため、速やかな消火が求められます。

また、消火の際に水や粉末の消火器等を使用してしまうと、
展示物の汚損の原因となるため、
そういった場所では不活性ガス消火設備が選ばれる事が多いです。

今回は不活性ガス消火設備について紹介します。

【目次】

1. 不活性ガス消火設備とは
2. 不活性ガス消火設備の設置基準
3. 不活性ガス消火設備の点検はどうする?

1. 不活性ガス消火設備とは

どうやって消火する?

不活性ガス消火設備とは、火災発生時に
二酸化炭素、窒素、IG-541、IG-55などのガスを防護区画内に噴射し、
酸素濃度を下げることで延焼を防ぎ、消火活動を行います。

その他の消火剤を使った消火方法に比べて、消火剤による汚損が少ないため、
早急に復旧が必要な施設等にも選ばれる事が多いです。

不活性ガス消火設備の仕組み

不活性ガス消火設備は以下の機器で構成されます。

消火剤貯蔵容器
起動用ガス容器
容器弁
連結管
消火設備制御盤
蓄電池設備など非常電源・配線
安全装置
噴射ヘッド
サイレンや音声で知らせる音響警報装置
手動起動装置
放出表示灯
ダンパー及びシャッター
感知器

噴出されるガスの種類や放出形式によって、
若干構成する機器は変わりますが、
主だったものは以上になります。

区画内の火災を感知器が察知し警報を鳴らして周りに知らせ、
換気口やダクトなどの開口部分をダンパーやシャッターにより閉鎖して、
噴射ヘッドからガスを充満させ、消火を行います。
これが全域放出方式です。

その他、ボイラーなど一部の防護対象物にだけ直接消火ガスを放出する、
局所放出方式もあります。

不活性ガス消火設備とハロゲン化物消火設備の違い

同じガス系消火設備の中でも、消火剤にハロンが使用されているものは、
ハロゲン化物消火設備と呼んでいます。

基本的な設置対象や機器の構成は同じですが、
不活性ガス消火設備は酸素濃度を下げて、窒息させながら冷却をすることで消火しますが、
ハロゲン化物消火設備は燃焼の連鎖反応を抑制して火を消し止めます。

ハロゲン化物消火設備はもともと航空機に搭載するように開発されたもので、
容積が小さくても消火力は抜群、油火災に使用されたり、
帯電性、帯域ん腐食性が高いため電気機器の火災にはハロゲン化物消火設備を選ぶことが多いです。

2. 不活性ガス消火設備の設置基準

機械式駐車場、オイルセラー、圧延機、危険物倉庫などで使われる事の多い
不活性ガス消火設備ですが、消防法や危険物の規制に関する法令の中で設置基準が定められています。

「消防法施行令」で定められた設置基準

発電機、変圧器その他これらに類する電気設備が設置されている部分床面積 200㎡以上
鍛造場、ボイラー室、乾燥室その他多量の火気を使用する部分床面積 200㎡以上
通信機器室として使用する部分床面積 500㎡以上
自動車の修理又は整備の用に供される部分、駐車の用に供される部分床面積等の条件有り

「危険物の規制に関する政令」で定められた設置基準

危険物の製造所・一般取扱所危険物の指定数量: 100倍以上
床面積: 1000㎡以上等の場合
危険物の屋内貯蔵所危険物の指定数量: 150倍以上
床面積: 150m2以上等の場合
危険物の屋内貯蔵所、屋内タンク貯蔵所等床面積等の条件有り

※エリアによっても多少異なりますので、
詳細は全国消防点検.comまでお問い合わせください。

3. 不活性ガス消火設備の点検はどうする?


容器弁が長期間点検されないままの状態だと、経年劣化はもちろん腐食が進み、
誤まってガスを放出してしまう事故が発生する恐れがあるため、
不活性ガス消火設備も定期的な点検が必要です。

消火剤を保管する貯蔵容器のバルブ部分に当たる容器弁は、
それまでは1年に1回の総合点検の項目となっていましたが、
6ヶ月ごとの機器点検における「容器弁の安全性」の点検に移行されました。

その他、平成21年4月1日に改正された消防法施行令で、
不活性ガス消火設備を含むガス系消火設備の点検要項も改正され、
設置後20年(二酸化炭素を用いるものは25年)を経過するまでに点検が必要となりました。

設置後15年~20年の間に点検を行う必要があるため、
半年に1回の機器点検で何本ずつ行っていくのか、
計画をたてて確実に点検を実施する必要があります。

不活性ガス消火設備についてのご相談は全国消防点検.comまで!


全国消防点検.comでは消防設備点検のご相談を承っております。

不活性ガス消火設備は容器弁の状態によっては、
点検を行うよりも新しいものに交換をした方が良いケースもあります。

点検・施工実績の少ない業者では、
すべて点検をしてしまい、最初からすべて交換を進めるというケースも少なくないと聞きます。

全国消防点検.comでは様々な建物の点検、管理を承っており、
豊富な経験と有資格者のプロの目から見たご提案をさせて頂くので、
状況に応じた適切な点検プラン、交換のご提案が可能です。

さらに、建物に係る様々な点検も承っておりますので、
他の点検もまとめて行う事が可能なため、
あらゆる点検の窓口が統一され、立会が最低限で済むのも大きな強みです。

まずは相談からでも大歓迎です!
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