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2019.06.28
火を消すためには?
こんにちは!日本全国の消防点検・施工を行っております、全国消防点検.comです!
今回勉強するテーマは「火を消すためには?-消火の原理―」です。
火が燃えるための4要素や消火器の使い方でも軽く触れた内容になりますが、今回はおさらいも兼ねてより詳しく見ていきましょう!
●燃焼の4要素を知ることが大切―要素を取り除く
燃焼に必要な要素である①可燃物、②酸素供給源、③熱源、④連鎖反応のどれか1つでも取り除くことができれば、燃焼は停止する、すなわち消火するということは既に勉強しましたね!
これら4つの要素の除去を行うという消火方法には、
①除去法
②冷却法
③窒息法
④負触媒法
というそれぞれに対応した用語があり、そのため消火方法も全部で4つになるんです。
小規模な火では、燃えているものを取り除く、水をかけるなどをすれば消火(制御)が可能ですが、大規模の火災では、4要素を除去することが難しく、消火に時間がかかる場合も多くなります。
前回はてんぷら油が水では消せない、逆に危険性が高まる!ということを勉強しましたね!全ての火災に対応するためにはあらゆる手を考え組み合わさなければならないのです。
●可能物を取り除く、周囲の燃えそうなものを取り除く―除去法
燃える対象のもの(可燃物)がなければ火は次第に小さくなり、燃え尽きて鎮火します。このように除去法は、燃料などの供給を止める、可燃物を撤去するといった方法になるのですが・・・
まあまとめるならば燃えるもの(火が点くもの)がなければそもそも火は起こらないじゃん!という消火法です。
除去法の例として、山火事でのケースが挙げられます。燃え広がりを防止するために周辺の木を伐採するなどといった方法がとられます。大規模の為自然に燃え尽きるのを待つんですね。
これは以前に勉強した、江戸時代の火消の消火方法に似ていますよね!思い出しましたか?
そういえば、火消は火災の際に飛んでくる火の粉から町や人を守るために、大きなうちわで扇いでいたそうですよ。とてもシンプルで直球な方法で好きです。
これも豆知識ですが火消には色男が多く、衣装もそれぞれの組ごとでアピールポイントが違って個性的だったそうです。
そして火消の道具として有名なのは「まとい」ですね。火消の士気を上げるために使われていたそうです。
この時代の消防はとても個性的で面白いのでついつい話がそれたまま長くなってしまいました、すみません(笑)
●水をかける、熱・温度を急に下げる―冷却法
燃焼中の物体の温度を、燃焼に必要な温度以下に急速に下げることで燃焼を止める消火法を冷却法といいます。火が燃えなくなる温度まで冷ますよーという事ですね。水をかけて消火する方法がこれにあたります。これに対応する消防設備でいえばスプリンクラーが代表的ですね。消防車での消火は放水による冷却法です。
以前にもお話ししましたが、水分が蒸発するときに一緒に熱を奪っていくのです。
人間でいえば汗をかいて体温を下げようとする働きがこの冷却作用の例になります。汗かいても涼しくなった気がしないよ!という方には、公園などで夏に霧を出している場面を想像してもらえればわかりやすいですかね?あれとっても気持ちいいですよね。
ちなみにカンガルーは体温を下げるために腕をなめるそうです。自然の中にもいろいろ生かされている知恵なんですね。
●酸素の供給を断つ―窒息法
燃えているろうそくにコップをかぶせると、酸素が断たれて火が消えます。懐かしい小学生時代にやったアルコールランプの消し方もそうですよね。このように、火に不燃性の布などをかぶせる、不燃性の泡で覆うなどして、燃焼しているところへの酸素供給を遮断したり、周囲の酸素濃度を下げたりして燃焼を止める消火法です。消火器の粉末が作用するのもこの窒息法です。こちらも以前に少し触れましたね。
他には爆発をわざと起こして瞬時に周囲の酸素消費を行い、酸素量を減らす方法などもこれにあたります。
●燃焼の連鎖を断ち切る―負触媒法
燃焼の連鎖反応において活性である原子や原子団を、不活性な物質に変えることで化学的連鎖反応を中断させる消火法です。平たくいえば、仮死状態で冬眠する熊のように、極端な不活性の状況を化学的に作る消火法です。連鎖的な燃焼を、触媒を使って止めるということですね。
代表的な物質(消火剤)として、フッ素、塩素、ヨウ素、臭素などのハロゲン化物によるメタン系炭化水素のハロン消火剤、炭素水素ナトリウムなどの粉末化合物消火剤、またA、B、C火災全般に有効なABC粉末消火剤などがあります。