消防点検コラム

COLUMN

2024.08.05

消防防災ヘリとは?特徴や役割などを解説します

皆さんは消防防災ヘリというのをご存知ですか?

消防防災ヘリとは消防活動や救助活動を目的として使用されるヘリコプターであり、さまざまな災害が起きたときに活用されます。

その任務内容は多岐に亘りますが、同じ救助活動を行うヘリコプターとしてドクターヘリもあります。

この場合、それぞれにどんな違いがあるのか把握することも大切です。

それでは、消防防災ヘリとは何か、配備される各隊や任務内容、特徴、ドクターヘリについてご説明しましょう。


【目次】

1. 消防防災ヘリとは?
2. 消防防災ヘリが配備される各隊
3. 消防防災ヘリの任務内容
4. 消防防災ヘリの特徴
5. ドクターヘリとの違いは?
6. まとめ

1. 消防防災ヘリとは?

消防防災ヘリとは総務省の消防庁が所有しているヘリコプターであり、人災や事故、自然災害などの要因によって発生する火災が起きたときに出動します。
基本的に火災が起きたときは消防車などによる地上からの消火活動がメインとなりますが、山火事や高層マンションなどで火災が起きたときは地上からの消火活動が難しい場合があります。
特に山火事は広範囲の火災が発生しやすく、とても地上からの消火活動だけでは手が回らない可能性が高いです。
そういった事態に備えられるように消防防災ヘリが出動することによって、空中からの消火活動が迅速にできるようになるのがポイントです。
消防防災ヘリを運用する目的は、基本的に消防・救急救助における業務や大規模火災が起きたときのための応急分野として迅速な対応ができるように航空機動力活用体制を整備したうえで県内消防機関と連携します。
必要に応じて他の都道府県との相互応援協力も図っているのも特徴です。
また、消防防災ヘリには、以下のような装備があります。

・救助用ケーブルを乗員の操作で巻き上げる装置のホイスト装置
・災害時に情報収集を行うためのヘリコプターテレビ中継システム
・地上通信が遮断したときに使用する衛星電話
・赤外線カメラ
・対地接近警報装置
・視界不良を可視化する光学機器にあるエンハンスト・ビジョン・システムが搭載された暗視装置

2. 消防防災ヘリが配備される各隊

消防防災ヘリが配備されている各隊は、以下の通りです。

・市消防航空隊
・防災航空隊
・緊急消防援助隊
・国際消防救助隊

それでは、消防防災ヘリが配備されている各隊についてご説明しましょう。

市消防航空隊

市町村は消防組織法によって消防責任を負うことと定めているため、一部の政令指定都市では消火活動や負傷者を搬送するための消防防災ヘリコプターを保有して運用しています。
もしも全国のどこかで火災が発生した場合は、一部の政令指定都市で保有している消防防災ヘリコプターを所有している市消防航空隊が消火活動などを行うのが一般的です。

防災航空隊

本来であれば市消防航空隊が消防防災ヘリコプターを所有していますが、小さな市町村が市消防航空隊を設置して消防防災ヘリコプターを運用・維持すると経済的な負担が大きくなります。
そこで、経済的な理由で消防防災ヘリコプターを運用・維持するのが難しい市町村は、総務省の補助制度を活用することで都道府県が市町村に代わって消防防災ヘリコプターを保有し、都道府県防災航空隊の設置を行なっているのがポイントです。
これにより、どんな市町村でも火災などの災害が起きたときに消防防災ヘリコプターを出動させることができます。

緊急消防援助隊

緊急消防援助隊とは、被災地の消防力のみでは対応が難しい大規模・特殊な災害が発生したときに、消防の精鋭部隊が消防庁長官からの出動の指示などを受けて、被災地に迅速に出動する部隊です。
総務省消防庁が主体となり、大規模な災害が発生した場合における緊急消防援助隊の配備に積極的に取り組んでいます。
基本的に24時間運航ができる都市に対して消防防災ヘリコプター1機を配備するなどの対応を行なっています。

国際消防救助隊

国際消防救助隊とは、その名の通り世界でバイ規模な火災やその他の災害が発生したときに救助要請に応じて高度な救助技術を駆使して国際貢献を果たす部隊です。
事前に登録している選りすぐりの救助隊員しか派遣されず、その救助技術は群を抜いて高いのが特徴です。
国際消防救助隊の歴史は古く、昭和61年8月27日にカメルーンから初めての救助要請があったときから現在に至るまで幾度となく現地で救助活動を行った歴史があります。
出発式を経て救助隊員が現地に赴き、現場はどんな状態なのか徹底した情報収集を行います。
そして海外救助隊と打合せを行い、画像探査機などを活用した捜索や倒壊した建物内の捜索、救助犬を活用した捜索などを行うのがポイントです。

3. 消防防災ヘリの任務内容

消防防災ヘリの任務内容は、以下の通りです。

・救助活動
・空中消火
・情報収集
・航空救急

救助活動は主に山岳救助、水難救助、災害救助、火災救助の4種類に分けられています。
山岳救助は山間部での遭難事案や滑落事故での捜索・救助活動を行います。
水難救助は河川や湖、池、湾港等での捜索・救助活動を行います。
災害救助は大規模地震や津波、台風などで孤立した集落や住宅などに取り残された人の捜索・救助活動を行います。
火災救助は特定条件下でのみ、火災から逃げ遅れた人の捜索や救助活動を行います。
火災救助は基本的に地上での消火活動を行う部隊がメインで行いますが、高層マンションなどで逃げ遅れた人がいる場合は消防防災ヘリが出動します。
しかし、火災による煙がエンジン内に大量に入ってしまうと出力が低下して消防防災ヘリが墜落してしまう可能性があるため、安全性が確保された限定的な状況下でのみ救助活動が行われるのがポイントです。
空中消火は、山火事が発生したときにつり下げ式バケット(水槽)を使用して消火活動を実施します。
情報収集は火災や大規模な災害が発生したときなどで上空からの情報収集を行います。
航空救急は救急搬送がメインとなりますが、ドクターヘリのような役割を果たすときもあります。
救急搬送は郊外や山間部、離島などで発生した傷病者を都市部の病院へ速やかに搬送する手段として消防防災ヘリが出動することがあります。
また、必要に応じて脳死移植の臓器搬送も行っているのもポイントです。

4. 消防防災ヘリの特徴

消防防災ヘリの特徴は、以下の通りです。

・上空から現場に接近できる
・車輛と比較して移動速度が非常に速い

それでは、消防防災ヘリの特徴についてご説明しましょう。

上空から現場に接近できる

消防防災ヘリならではの特徴として挙げられるのは、上空から現場に接近できることです。
ヘリなので上空から現場に接近できるのは当たり前だと思うかもしれませんが、上空から現場に接近して消火活動が行えるだけでもかなりのメリットがあります。
基本的にメインとなる消火活動は地上で行われるので、地上の消火活動の範囲で事態を収拾できるレベルなら消防防災ヘリの出番はありません。
そもそも消防防災ヘリを運用・維持するのにも費用がかかるため、よほどのことがない限り出動要請はかかりません。
しかし、地上の消火活動でも消火できる見込みが薄い、もしくは地上からの消火活動が難しい場合は消防防災ヘリが出動します。
上空から消火活動を行うことによって迅速に対処できますし、何より山火事や高層マンションで火災が発生したときなどの状況下で対応できるのは消防防災ヘリしかいません。
このように、上空から現場に接近できるというだけでもかなりのメリットがあると言えるでしょう。

車輛と比較して移動速度が非常に速い

消防防災ヘリは車輛と比較しても移動速度が非常に速いのも特徴です。
小規模の火災であれば地上での消火活動でも問題ないかもしれませんが、そうでなくても現場まで消防車などが到着するのが遅れてしまうのでは意味がありません。
地上での消火活動が遅れるほど被害が大きくなるうえに、逃げ遅れた人の救助も遅れてしまい、最悪の場合手遅れになってしまう可能性があります。
しかし、消防防災ヘリであれば車輛と比較すると移動速度が非常に速いため、現場まで迅速に移動できるのが最大のポイントです。
たとえば山火事や大規模の災害が起きたときに迅速に現場まで移動することができれば、それだけ早く山火事を沈下して被害が広がるのを防ぐことができます。
大規模の災害が起きたとしても迅速な行動によって多くの人を早めに救助できるようになります。
移動速度が速いというだけでもかなりのメリットがあるので、消防防災ヘリは非常に頼りになると言えるでしょう。

5. ドクターヘリとの違いは?

消防防災ヘリにはドクターヘリのような役割を担うこともありますが、ドクターヘリと消防防災ヘリでは何が違うのか気になる人も多いのではないでしょうか。
ドクターヘリは最新の医療設備を装備したうえでフライトドクターと呼ばれる救急医療の専門医とフライトナースと呼ばれる看護師が搭乗して現場に急行するのが最大の特徴です。
空飛ぶ救命医と呼ばれているように、医療スタッフを現地に送ることによって到着したらすぐに現場で治療が始められます。
対する消防防災ヘリは医療等同乗救助活動によってホイスト装置を活用することで空から救助現場に医師が投入できるようになっています。
消防防災ヘリとドクターヘリでは救助現場に医師が投入できる点では同じですが、しっかりとした救急医療ができる点ではドクターヘリに軍配が上がるでしょう。
伊達に空飛ぶ救命医と呼ばれているわけではなく、最新の医療機器を装備しているので専門的な治療ができるのがポイントです。
とはいえ、先に現場の収拾を行ってから一旦応急処置を行える点では消防防災ヘリの方が柔軟性が高いと言えるかもしれません。

6. まとめ

消防防災ヘリは空から消火活動や災害への対処ができるものであり、地上での消火活動などが難しい場合に出動するのが一般的です。
車輛よりも移動速度が速く、空から消火活動等ができるので非常に頼りになります。
時にはドクターヘリのような役割を果たすこともできるため、まさに万能の防災ヘリだと言えるでしょう。

 

消防設備点検なら全国消防点検.comまで


全国消防点検.comでは消防設備点検のご相談を承っております。

「古い建物でいつ設置されたものかわからない・・・」
「消防設備についてよくわからないし、点検もしているのかな?」

などなど、些細なことでもご相談を承っております。

消防点検に限らず、様々な設置や点検等も承っており、
依頼する業者をまとめたい、点検類をまとめて依頼したいなど幅広くご相談が可能です

まずはご相談だけでも大歓迎です!
どうぞお気軽にお問い合わせください。

全国適正価格を実現!お急ぎの方専用

カンタン10秒 お見積り・相談はこちら!

全国エリア網羅で適正価格の算出を可能に!
面倒な業者探しスケジュール調整も弊社で代行!